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アダプティブラーニング教材「やるKey」を使った算数の授業レポート@小金井市立前原小学校(2016年10月21日)

 2016年10月21日に、小金井市立前原小学校の3年2組の算数の授業におじゃまして、凸版印刷が提供しているアダプティブラーニング教材「やるKey」を使った授業のサポートをしてきました。
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 前原小学校の3年2組の授業は、「円と球」の単元。ちょうどしあげのところでした。担任の小薗広幸先生は、最初に簡単に「やるKey」の使い方を紹介します。子どもたちは一人1台のタブレットをもっていますが、先生の話をきちんと聴き、教室前方のモニターに表示されている画面を参考にしながら、最初に「どれくらい学習するか」という学習目標を設定します。やるKeyでは、最初に学習の目標を決めますが、これは勉強する習慣がない子どもたちに、「がんばるきっかけ」を与えるために、「5分だけやる」とか「5問だけがんばる」のように、がんばる目標を決めるという行動をしてもらうことを目指しています。
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 学習の目標が決まったら、さっそくドリルを解いていきます。今回は、単元のしあげをする2回の授業で、やるKeyを使います。画面上では、先生が設定したドリルが表示されているので、目次でドリルを選んで、各自が学習をスタートします。


 画面に表示されている問題を解き、その解答を画面をタップして入力していきます。すべての問題に答えたら、「答え合わせをする」のボタンをタップして、答え合わせを行います。
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 答え合わせが終わると、◯か×かが画面に表示され、さらに解説が表示されます。ここから、間違えた問題によって、それぞれの子どもたちにあった問題が自動的に出題されていきます。子どもたちはどんどん問題に取り組んでいくことができます。
 やるKeyでは、それぞれの問題に「つまずきポイント」という、その問題を間違える元になっている可能性のある知識が紐づけられています。例えば、円と球の問題であれば、「直径がわからない」という知識の問題の他、直径から半径を求めるときに「2位数÷1位数のわり算がわからない」「直径と半径の関係がわからない」などのように、つまずきポイントが複数設定されています。
 問題を間違えるたびに、このつまずきポイントのどれが原因で問題を間違えているのかを特定していきますので、児童は自分のペースで問題を解き続けていると、適正なドリルまで戻り、自分にあったドリルを学習することができるようになっています。
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 このような仕組みをとることで、「先生、◯つけて!」や「先生、次は何をすればいいの?」という子どもたちに、自動採点と自動出題を行なうことで対応することができるようになります。そのぶん、先生方は子どもたちの様子を見守り、サポートが必要な子どもたちに、時間をかけて説明をすることができます。


 今回の授業では、しあげの単元だったので、単元のなかの複数の小単元に関する問題が出題されていましたが、子どもたちのそれぞれが理解が不足している小単元の問題に取り組むことができていました。
 もちろん、しあげの問題をすべて正解する子にも、類題がどんどん自動出題されるので、「先生、次は?」と言われることはありません。


 こうして、ICTの長所である自動出題・自動採点、先生の長所である子どもたち一人ひとりに応じた適切な指導、それを組み合わせた授業が実現できるように、今後もサポートしていきたいと思います。

▼参考エントリー
blog.ict-in-education.jp
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(為田)