ナンシー・アトウェル『イン・ザ・ミドル ナンシー・アトウェルの教室』を読んでいます。じっくりひとり読書会ということで、ハッシュタグ「#イン・ザ・ミドル中」を使ってTwitterでメモを書いています。こちらをブログには章ごとにまとめていこうと思います。
いよいよ最終章、第8章「価値を認める・評価する」です!この章は、評価について書かれています。
ワークショップで読み書きを教える教師が押さえるべきポイント=「生徒自身が自分の学びの質を見定めることを評価の中心に据える、ということ」→ライティング・ワークショップのあらゆる場面で、生徒たちは常に自分を振り返り、自己評価をしている。(p.314) #イン・ザ・ミドル中
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年10月15日
「毎学期の最後の一週間、本校の幼稚園から8年生までの教師は全員、新たな内容を教えるのを止めます。生徒たちもいったん足を止め、その学期でしたことを振り返り、次の学期にむけての計画を立てる」(p.314) #イン・ザ・ミドル中
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年10月15日
「すべての教科が、「評価のワークショップ」となり、生徒は自分の作品を見直し、自己評価用紙に答え、その根拠となるものをコピーし、ポートフォリオにまとめます。(略)ポートフォリオには算数・数学、歴史、理科、芸術に関わる内容も含まれます。」(p.314-315) #イン・ザ・ミドル中
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年10月15日
「ポートフォリオを使うのは、自分のプロセス、結果、成長、課題を生徒に分析してほしいからです」(p.315)→教師はこれをサポートし、教師と生徒で一緒に目標をたてる。 #イン・ザ・ミドル中
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年10月15日
「本校では、生徒が評価のカンファランスをリードします。生徒は自分のポートフォリオを開き、その中身を保護者と教師に説明します。そのあとに教師が、その生徒の成長記録を出して説明し、次の学期の目標を設定します。」(p.315)→これ、しっかり生徒が説明できるならすごい! #イン・ザ・ミドル中
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年10月15日
自己評価について。各学期の終わりに、「読み手・書き手としてしたことを生徒が具体的に振り返ることができるような質問を作成します。この質問を載せた自己評価用紙は、書くこと、読むことそれぞれ2ページに及びます。」(p.316) #イン・ザ・ミドル中
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年10月16日
書くことについての自己評価
学期の最後に2ページの書くことについての自己評価をするというアトウェルの学校。具体的な例も載っているので、参考になります。量と質の相関関係について、アトウェルは「確信して」いて、だからこそ、書き上げた作品数を基準にも加えたいと書いています。
「書くことについては、完成作品数を確認し、優れた文や批評への基準をはっきりさせ、成長したことや達成したことを書き、前の楽器に設定した目標に向けての進捗状況を評価し、新しい目標を定める」(p.316) #イン・ザ・ミドル中
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年10月16日
「生徒の回答は箇条書きで書かせます。生徒に長い段落で答えさせると、わからないことを上手に隠せてしまいますが、箇条書きで答えさせると要点だけになるからです。」(p.316) #イン・ザ・ミドル中
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年10月16日
最初の質問は、完成作品数とそのジャンルについて。「もし書くことにおける国の基準に私が口をはさめるのであれば、量と質の相関関係を確信しているので、書きあげた作品数をその基準に加えるように提案するでしょう」(p.316-317) #イン・ザ・ミドル中
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年10月16日
二つ目の質問は、「自分の書いたものを批評家の目で見て、よい作品になっている特徴を見つけることを求めます。」(p.317)→ミニ・レッスンやカンファランスで教えた文学用語、概念を使って考える。自分が使った技に気づいて言葉で捉えることで、自分のものになる。 #イン・ザ・ミドル中
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年10月16日
三つ目の質問。「今学期、書き手としてどうやって幅を広げたか?」「生徒は一歩下がって、自分を書き手として包括的に眺め、学期の最初の頃と今の自分の距離を測り、達成したことを喜べる」(p.317) #イン・ザ・ミドル中
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年10月16日
読むことについての自己評価
続いて、読むことについての自己評価です。「どうやって読み手としての幅を広げましたか」という問いに、いまの自分だとしてもきちんと答えられない気がする…。問われたことが今までにない問いだと思います。それを生徒たちがどんなふうに感じ取るのか。クラスで多様な答えが返ってきそうですが、そこから先生がどう生徒たちにクラスに返していくのかなども興味があります。
書くことの自己評価をしてから、読むことに移る。最初の質問は、「読んだ本の冊数とジャンルから始まります。生徒にいったん立ち止まり、読み手として達成したことに誇りを感じてほしいからです。」(p.319)→ジャンルの好みの変化も、成長の一部。 #イン・ザ・ミドル中
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年10月16日
「「どうやって読み手としての幅を広げましたか」も、自分に対する評価で毎回焦点をあてている問いです。この質問を通じて、読み手に自分の成長を振り返り、描写してもらいます。」(p.324) #イン・ザ・ミドル中
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年10月16日
そうして、最終的には自分の学びを保護者や先生に伝えられるようにしなくてはならないのですね。
「自己評価という概念をクラスに導入するときには、生徒が自分の学びを真剣に見つめ、そのことから学び、自分が発見したことを保護者や私に伝えられるように、慎重によく考えて、説明します。」(p.326) #イン・ザ・ミドル中
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年10月16日
書くことと読むことについての自己評価を終えると、生徒はそれをポートフォリオに入れる。(p.327) #イン・ザ・ミドル中
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年10月16日
「自己評価をすることが、自分が知っていることを示し、自分に知識があることをはっきりと伝え、次に注意すべきことが何かを認識する場となっています。」(p.329)→自己評価を質問形式で評価させる、箇条書きで書かせる、は試したい。応用できるプロジェクトはないか、考える。 #イン・ザ・ミドル中
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年10月16日
生徒のポートフォリオのいくらかは、クラウドにデジタルで保管をしておくといいのかな、と思いました。学校を卒業してからもずっと同じようにクラウドを使えることはそう多くないでしょうが、学校での思考の成果とプロセスと評価と、それらをずっと生徒がクラウドでもっている、また学校にも記録として同時に残っている(どうやって同意をとるか、というのは考えないといけないか…)というのは、学びの場として学校にどんどん知見が積み重なっていくことになるのではないかと思います。
教師による評価
最後に教師による評価について書かれていますじっくり時間をかけてライティング・ワークショップ、リーディング・ワークショップをするからこその評価手法を見ることができると思いました。
最後に「教師による評価」の話:「私は一つひとつの作品に成績をつけることはしません。書き手の成長は時間がかかるもの。その道筋は一直線ではありませんし、若い書き手はそれぞれに大きく異なります。(略)一つの作品で生徒の能力を正確に測ることなど不可能です。」(p.330) #イン・ザ・ミドル中
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年10月18日
「評価への基本姿勢は、信頼性があることです。信頼性とは、生徒に公正であり、かつ、書くことのプロセス、ジャンル、言葉の慣習についての私の理解にも沿ったものであるということです。(略)評価には、私がワークショップで毎日生徒に伝えている期待を反映すべき」(p.330) #イン・ザ・ミドル中
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年10月18日
成長記録は、書くことと読むことの両方で書く。どちらも、「達成したこと、強み、課題」と「目標」を書く。(p.332-333) #イン・ザ・ミドル中
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年10月18日
「生徒と私が設定する読み書きの目標は、書き言葉の慣習や学習習慣から、技巧、効果的な方法、手順、ジャンル、作家、形式、題材まで、全域にわたります。」(p.334)→p.334-339に目標例が挙げられている。ここまで具体的なら実践できそう。これを一人ひとりにするのか…すごい。 #イン・ザ・ミドル中
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年10月18日
「生徒の自己評価や目標設定を、教師の分析や目標設定と併せるという評価方法は、本校の教育理念と指導法に適しています。私たちは、数字や段階で成績をつけることはしません。生徒の動機付けになっているのは、学びそのものです。」(p.339) #イン・ザ・ミドル中
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年10月18日
「国語の授業をワークショップ形式に変えるとは、授業計画を、書き手、読み手、批評家が実際にやっていることや必要としていることを土台にする、ということです。そこでは教師は、自ら取り組むこと、集中すること、振り返ることの大切さを、確実に生徒に伝えます。」(p.343) #イン・ザ・ミドル中
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年10月18日
「評価も、生徒が自分の学びを分析し、進歩を描写し、次の目標を設定する機会になります。生徒はそれによって、書き手、読み手として広く豊かに成長できますし、教師も、生徒の学びについて、欠くことのできない視点を得ることができます。」(p.343) #イン・ザ・ミドル中
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年10月18日
まとめ
以上で本文は終了で、最後に巻末資料ですが、ここもとても充実していました。
充実している巻末資料は、実際に先生が授業を作るときに参考になりそうなことがたくさん書いてありました。「書くこと」にフォーカスした授業、ここまではやれないけれど、実践したいと思った。担当クラスがあるわけではないので、クラウドと組み合わせた実践ができないかな…。 #イン・ザ・ミドル中
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年10月18日
以上、『イン・ザ・ミドル ナンシー・アトウェルの教室』、ひとり読書会は終了です。はあ、充実していた…。 #イン・ザ・ミドル中
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2018年10月18日
このひとり読書会に使った「#イン・ザ・ミドル中」というタグ、最初のTweetが9月7日なので、たっぷり1ヶ月半かけて読み切ったことになります。それだけじっくりやりたいと思った本に出会えたのは幸せです。「あ、これやってみたい」と思ったこともたくさんありました。ここから、次に何を考えて、何をやってみるか、ということに落としていきたいと思います。これから何度もレファレンスに使いそうな本です。
(為田)