「L.A. school district demands iPad refund from Apple」というニュースが、LA Timesに出ています。アメリカのLA教区が、AppleからiPadのrefundを求める、ということで「効果がないことが実証されたとかだろうか?」とニュースを読んでみましたが、そこまでは書かれておらず、どうやら供給するとかそのあたりの問題のようでした。
見出しにはないですが、refundを求められているのは、Appleだけでなく、Pearsonもです。
iPadの導入を決めて、2013年の秋から、iPadの配布をしてきたようですが、配布で5億ドル、さらに学校でのインターネットアクセスを向上させるために8億ドルがかかる、という状況らしいです。
契約上は、Pearsonが英語と数学のカリキュラムを提供することとなっていたようですが、こちらも提供されていない、ということのようです。
今回のこのiPadでPearsonのカリキュラムを学ぶ、という仕組みは、69校のうち示指されているのはたったの2校となっているそうです。コンテンツが提供されているときには、インタラクティブに先生も生徒も楽しんでいるが、そうでないときの方が多い、というふうに書かれています。
一気にこんなに大規模にやらなければよかったのではないかな、と思わないではないですが。どういう意思決定プロセスを経て、この導入が決まったのか、知りたいなと思いました。
でも、このrefundを求めるのが普通になってしまうと、これからさまざまな導入ケースで、技術や教材を提供する企業側は、しっかり「ここからここまで提供します」というのを線を引いていかないといけないだろうな、と思いました。
きちんと提供するのはもちろんのこと、そのうえで「どんな効果が見込まれるのか」ということについても、しっかり評価するという流れにつながってくれるといいかな、と思いました。
何はともあれ、これからこのニュースがどう進展していくのか、遠いアメリカの話だから…と言わず、学校にICTを導入したときに起こりうるケースのひとつとして、注目していきたいと思います。(研究員・為田)