教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

京都教育大学附属桃山地区学校園 教育研究発表会 レポート No.7(2017年2月3日)

 2017年2月3日に、京都教育大学附属桃山地区学校園の教育研究発表会に参加しました。テーマは、「幼小中連携 幼小中で育む『確かな学力』と『豊かな社会力』 ―12年間の学びをつなぐ連携プログラムの実践と開発(第2次)―」でした。

 長野健吉先生が担当されている4年1組の理科の授業「ものの体積とあたたまり方」を見学させていただきました。
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空気のあたたまり方を個人で考え、発表し、共有し、みんなで考える

 今回の授業のめあては、「空気のあたたまり方を説明しよう」です。空気のあたたまり方の実験画像を見て、さらにこれまでに学んだ水のあたたまり方の結果から考察するために、タブレットを使って図解をしていきます。順番に児童が図を説明していきます。
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 個人で考えたことを、クラスメイトにわかってもらうために、工夫をしながら発表し、クラスで考えたことを共有し、みんなで考えていく、というプロセスがスピーディーに進んでいきます。
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 何人かの児童による説明を聞いた後で、グループに分かれて考えてもらいます。各自がロイロノート・スクールを使って考えていきます。長野先生は、グループを見て回って、グループでの考えの交流を促していきます。
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授業の密度とアウトプットのスピード

 児童がロイロノート・スクールを使って提出をしたカードを、教室で共有します。答えが出揃って、説明をした後で、長野先生は「提出が早かった子がいたけれど、どうやったの?」と質問します。
 何人かの児童が、「水と同じなので、水のあたたまり方のところで書いた文章をコピーして、付け足した。」と答えます。ここで、「ズルをしないで書きなさい!」という先生もいそうですが、長野先生はむしろ褒めます。前に学んだ同じような知識を使って、新しいことを考えることができたことは、とてもいいことだ、と褒めていました。
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 長野先生の授業に限らず、京都教育大学附属小学校の授業の特長は、すごく密度が濃いことだと思います。短い時間に考える、その考えを表現する、人にその考えを話し、人の考えを聴いて交流する、そうした活動が、短時間にどんどん行われていきます。
 短時間に密度が濃い授業をするためには、アウトプットのスピードを思考のスピードに近づけていくことが必要だと思います。そうした活動を可能にするために、長野先生のされていた、前に学んだ同じような知識を使って、新しいことを考えることができるように導いていくのは、学びの質を上げるために非常に役立っているのではないかと思います。
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学習問題から実例へ

 この後で、長野先生はパフォーマンス課題として、大工さんと設計士の話を始めました。この授業で学んだ「空気のあたたまり方」をベースにして、エアコン、床暖房、電気ストーブの3つで、どれが効率の良い空調装置かということを児童に考えてもらっていました。

 発問を受けて答えを出す、という児童の活動の流れだけでなく、最初のところの考え方は長野先生が児童に伝えて、「こういうふうに考えたらいいんですよ。あとは自分で考えられますね」というふうに、考えをアウトプットするプロセスも児童に共有しているのが、印象的でした。考えるプロセスも共有していくことで、ロイロノート・スクールに新たに入ったシンキングツールとの連動も図ることができると思いました。
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 学んだ知識を、実際に家の空調を考えるときに使える、というふうに結びつけることで、より知識が定着すると思います。

 No.8に続きます。

(為田)