教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

京都教育大学附属桃山小学校 授業レポート No.2(2020年2月19日)

 2020年2月19日に、京都教育大学附属桃山小学校を訪問し、若松俊介 先生が担当する4年2組の算数の授業を見学させていただきました。今回の授業の単元は「変わり方調べ」でした。
 単元の最初に授業として若松先生から説明をして、その後は自分でどんどん進めていくという形の授業でした。教科書、問題集、計算スキルなどの教材と並んで、算数のデジタルドリル「やるKey」を活用して、児童が自分でどの教材を使って学ぶのかを自律的に学ぶという授業を行っていました。
 問題を解くだけではなく、「法則をかんたんに見つけるコツは」「どのように表に整理するとわかりやすいか」など、学んだことをロイロノート・スクールを使って児童はまとめていました。
f:id:ict_in_education:20200306093021j:plain

 授業で児童が自分で選んで学ぶ教材のひとつとして使っていた やるKeyは、アダプティブラーニングのためのデジタルドリル教材で、児童一人ひとりに対して、学習履歴に応じて違う問題を出すことができます。やるKeyは、ノートに計算などを解いて、空欄に回答を入力していく仕組みになっていますが、iPadに慣れている児童は、iPadをスプリットビューにして、ロイロノートやメモアプリを立ち上げて、そこで計算をしていました。
f:id:ict_in_education:20200306093106j:plain

 やるKeyでは、問題ごとに間違えやすいポイント=つまずきポイントを設定しているので、「何につまずいて間違えたのか」を分析できるようになっています。その分析に従って出題される解説ドリルをやっている児童も多くいました。
f:id:ict_in_education:20200306093149j:plain

 さまざまな教材を自分の学びに合わせて使い分けることができる授業だったので、一人で問題に取り組むという学びの形だけではなく、クラスメイトに教えてもらっている様子もたくさん見られました。
f:id:ict_in_education:20200306093236j:plain

 一方で、自分ひとりでノートを読み返してみたり、教科書を読み返してみたりする児童もいます。こうして、一人ひとりが自分にあった学び方を知り、自分にあった学び方ができるようになるための環境を先生が作っているのが素晴らしいと感じました。
f:id:ict_in_education:20200306093321j:plain

 最後の5分で、授業のふりかえりをロイロノート・スクールで書き込んでいました。こうして最後にふりかえりを書いてもらって、それを先生が読んで、また授業設計を変える、というふうになっています。
 それぞれが個別に問題を解いていますが、やるKeyの先生画面から学習の履歴を見ることもできるようになっているので、若松先生はある児童に「今日も朝からやってたね」と学校にいる時間以外の学習の様子についても声をかけていました。
 授業の様子だけでなく、学校にいない時間の様子をデジタルで見えるようになるので、その部分をどう活かすのかということも、これからの先生方の授業づくりには重要な要素になるのではないかと思いました。
f:id:ict_in_education:20200306093353j:plain

 No.3に続きます。
blog.ict-in-education.jp


(為田)