柴那典『ヒットの崩壊』を読みました。「CDが売れなくなった」という言葉はよく聞きます。僕が大学生の頃は、たしかに何百万枚、何十万枚と売れていましたから、たしかにそうなのでしょう。
自分でもほとんど音楽はデジタルでしか聴かなくなりました。Apple Musicを使い始めてからは、レンタルCDもあまりお世話にならなくなったな…と*1。
そうした経験をベースに、音楽業界はどんなふうに変わってきているのか、ということが書かれています。以下、扱われているテーマのなかで、とてもおもしろかったもののメモしておきます。
- アーティストもアイドルも「現役」を続けられるようになってきた。
- 20年も30年もかけて、武道館コンサートを開くアーティストが増えてきた、ここ数年。
- AKBがやったのは、ランキングの「ハッキング」
- この考え方、とてもおもしろくて好きです。
- 長時間の音楽テレビ番組は、フェス(SNSとも相性いい)
- フェスが定番化してきていて、それをテレビが取り込んでいる
- ロングテールとモンスターヘッドの存在→健全な「ミドルボディ」を作る
- どんな売れ方をしたいのか、どんなふうに音楽を届けたいのか、ということは多様化している、といえる*2。
音楽業界の話だけでなく、コンテンツのデジタル化やSNSの興隆などの影響で、社会がどんなふうに変わってきているのか、ということまで広げて考えることができる書籍だな、と思いました。
社会の変化を見るひとつの素材として、中学生・高校生くらいが親しむ音楽を取り上げるときに、ネタになりそうなことが多く書かれていると感じました。
また、ただ音楽だけでなく、インターネットというメディアを使って表現をするときの参考にもなるかもしれません。(もちろん、「ミュージシャンになりたい!」と言う生徒たちにも、いいアドバイスになるかも)
(為田)