2023年12月16日に、かが交流プラザさくら でSTEAM FES KAGAが開催されました。午前中に、市内中学校6校と小学校のSTEAM先行実施校8校の児童生徒が、自分たちが取り組んだ課題解決や活動を通して学んだことについて発表するKAGA STEAM Presentationが行われました。
各校のプレゼンテーションのなかから、特にSTEAM教育、授業でのICT活用の観点で興味深かったプレゼンテーションを紹介していきたいと思います。
加賀市立錦城中学校1
錦城中学校のグループ1は「私たちの学習環境」というタイトルでプレゼンテーションを行いました。自分たちの学習環境の課題として、「休み時間だけでは時間が足りない」「図書館の自習スペースで話すと注意される」「部活や習い事で帰りが遅くなり夜遅くに勉強するしかない」などを挙げて、その解決のために「複数人で教え合いながら学習する場所をつくる」「放課後や休日、夏休み等に利用できる学習スペースをつくる」ことを目指すという提案でした。
課題を解決したい理由だけでなく、「図書館やここらぼ(最寄りの大聖寺駅前にあるフリースペース)で十分だと思われている」「家でしっかりと勉強できる学習環境が整えられていると思われている」「学校の休み時間を使えば十分だと思われている」と課題が解決されない理由を挙げていたのがよかったと思いました。
そのうえで、解決策として「学校を開放する」ことを提案します。錦城中学校の生徒を対象に、平日18:00-19:30、休日13:00-16:00で学校を開放すること、学校の先生が見回るのは負担が増えるためパートの人を雇うこと、と具体的な案が発表されていきます。
実際に11月27日から29日までの3日間で1つの教室を開放して実践してみたそうです。ただ提案を考えるだけでなく、実際にやってみてどうだったのかを考える。こうしてPDCAを回していくことが重要だと思います。参加者からは、「教室だとうるさいから集中できないけど、ここだと静かで勉強する気になる」というコメントももらったそうです。
また、提案のなかにあった「学校の先生が見回るのは負担が増えるためパートの人を雇うこと」というところの実現可能性を探るために、スプレッドシートを使って試算をしていたのもよかったです。こうしてお金の計算も含めて実現可能性を検討していることがよいと思います。
加賀市立山代中学校1
山代中学校のグループ1は「加賀市を舞台とした映画」というテーマでプレゼンテーションをしました。加賀市を舞台にした映画を作ることによって、聖地巡礼をする観光客を増やそうという取り組みです。
このグループがユニークだったのは、見た人に「加賀市へ聖地巡礼で行ってみたい」と思われるように考えた戦略を入れて、自分たちで「仮面の向こうに」というショートフィルムを作ってきたことです。
自分たちのアイデアを形にする方法として、「映像を作る」ということもデジタルが活用されることで敷居が低くなってきていて、生徒たちの表現の幅をどんどん広げていってくれるだろうなと感じました。
加賀市立片山津小学校
片山津小学校の6年生は「柴山潟のごみ問題を解決しよう!」というテーマでプレゼンテーションを行いました。柴山潟のごみ問題を解決するために、決められたコースを巡回するようにプログラミングした動くゴミ箱を開発していました。
さらに、ごみをゴミ箱に捨てることが楽しくなるような工夫をして、落ちてきたゴミに反応して光る「おみくじゴミ箱」や、落ちてきたゴミに反応して感謝を伝える「ありがとうゴミ箱」なども開発していました。
No.4に続きます。
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(為田)