2019年5月25日に、株式会社COMPASS本社で開催された学校関係者向けセミナー「Qubenaで授業がどう変わったか?」に参加しました。Qubenaは、AIによって個別最適化学習を実現する、人工知能型タブレット教材です。さとえ学園小学校、近畿大学附属中学校、三田国際学園中学校高等学校の先生方が参加されるということで、小学校、中学校、高校のそれぞれでのQubenaを活用した授業実践が聴けることを期待して行きました。
会場で参加されていた先生方は、私立が75%くらいでした。校種は中高、中学、と続いています。また、オンラインで中継もしていたので、そちらで見ていた先生方もいらっしゃったかもしれません。
プログラムの最初は、株式会社COMPASSのCEO神野元基さんによるプレゼンテーションでした。Twitterにて現場から発信していたものをまとめます。
最初のプログラムは、COMPASS CEO 神野元基 さんによる「COMPASSのビジョン」。神野さんの夢は「世界平和」。世界平和を実現するために、何ができるかを会社の活動としても考えている。 #Qubenaで授業がどう変わったか
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年5月25日
「世界平和」を夢にした神野さん。でも、地元の網走では、友達も先生もそんな話を聞いてくれなかった。大都市だとそういう変人は集まれる場所があるが、田舎にはそうした場所はなかった。そんな自分が見つけた大学が、SFCだった。そこから人生が変わってきた。 #Qubenaで授業がどう変わったか
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年5月25日
僕もSFC出身なので、神野さんのこの感覚はわかるような気がします。SFCには「世界を平和にしたい」とか言っても大丈夫な空気があったと思います(今もそうだといいな)。そして、SFCで神野さんはテクノロジーに出会います。
神野さんはSFCに進学して、テクノロジー=技術に出会った。テクノロジーは、人間の生き方をガラリと変えている。電気があるから、夜通し仕事ができる。新幹線があるから、遠距離から通勤もできる。テクノロジーの行く末に、世界平和が描けるのではないか、と思った。 #Qubenaで授業がどう変わったか
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年5月25日
世界最先端のテクノロジーの現場に行きたくて、シリコンバレーへ。2010年にシリコンバレーで起業。そこでシンギュラリティという概念に出会った。シンギュラリティは、「技術がもたらす未来」。2045年に生きている子どもたちのことを考えなくてはいけないと強く思った。 #Qubenaで授業がどう変わったか
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年5月25日
こうして、神野さんは子どもたちのことを考えて活動を開始します。まず、自分で学習塾を作るところから始めています。このスタート地点があるのは、Qubenaにとってとても大きな意味を持っていると思います。
子どもたちが未来の世界を作っていく。だから、八王子でふつうの学習塾を作った。地域にある普通の公立中学校専門の学習塾を作った。これからの未来の話を、子どもたちにしたいと思った。#Qubenaで授業がどう変わったか
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年5月25日
学習塾の時間だけでなく、24時間どう過ごしているかを知って、子どもたちを未来に連れて行きたいと思った。わかったことは、我々にも、子どもたちにも、そんな時間はない、ということだった。子どもたちに時間を作らなければ、未来のことを考える時間はなかった。 #Qubenaで授業がどう変わったか
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年5月25日
「良い成績をとるため」ではなく、「本当に教えたいことを教えるための時間を作るため」に、学習方法を工夫し、テクノロジーを組み合わせることでQubenaが出来上がっていきます。
そこで、学習効率を追求するために、「ナノステップのアダプティブラーニング」というものを作った。これで学習効率は5倍くらいになった。テクノロジーを使えば、ひとりの先生が何十人の子どもたちの効率をあげて、子どもたちに未来の話をする時間ができるようになる。 #Qubenaで授業がどう変わったか
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年5月25日
Qubenaでは、そうした思いをふまえて、これまでの教室での子どもたちの体験を残している。間違えたところに戻してあげたり、できている子には難易度の高い問題を出題してあげたり、そうしたことを実現している。 #Qubenaで授業がどう変わったか
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年5月25日
Qubenaマネージャーを使って、学習のログを見ることもできる。このログを見ることで、先生と子どもたちの間でコミュニケーションが起こればいいと思っている。 #Qubenaで授業がどう変わったか
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年5月25日
ナノステップ化 / COMPASS ENGINEによって、問題を要素(ATOM)に分解。この要素は、数学の知識体系に沿っている。人工知能が習熟度の最も低いところを探し、その問題を出題するようになっている。 #Qubenaで授業がどう変わったか
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年5月25日
ドローンなどの最新テクノロジーは、子どもの目の前に出したら「やりたい!」を引き出せるもの。やりたいだけでなく、子どもたちにやらせてあげたい。自分がやったことで大人が驚く体験は、子どもの自己肯定感を高める。そうした学びの場を作りたい、と神野さん。 #Qubenaで授業がどう変わったか
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年5月25日
経済産業省「未来の教室」実証事業を、千代田区立麹町中学校にて2018年9月より始動。麹町中学校では、通常授業の2倍のスピードで授業が進んだ。Qubenaの自社教室では7倍。この違いは、教室でタブレットを使うまでの時間などがあるため。現在は効率は上がっている。 #Qubenaで授業がどう変わったか
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年5月25日
タブレットで学ぶことで、先生は要らないのかと言えば、そんなことはない。むしろ、先生が一斉授業をしない分、生徒からたくさん質問を受ける時間をとれるようになる。 #Qubenaで授業がどう変わったか
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年5月25日
麹町中学校で持ち帰りをさせてみたときに、あまりやらなそうな生徒が、自宅で1300問くらい解いてきたことがあった。それを見て、先生方は「これで授業が変わるかも」と思うようになっていった。 #Qubenaで授業がどう変わったか
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年5月25日
アダプティブラーニングでは、学年が上がるにつれて、「戻らなければいけない」ところが膨大になっていく。中学校であれば、3年生で数学がわからない場合には、その前提にたくさん復習しなければいけなくなる。1年生のときからアダプティブでやることを提案している。 #Qubenaで授業がどう変わったか
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年5月25日
先生方にとって、子どもたちの変容を見られることは、授業をアップデートすることの最大の機会になるのだな、とよく思います。「子どもたちの変容を目の当たりにする」→「そのために授業をどう変えればいいのか」→「その準備/実現は大変か」という順で、授業をアップデートする流れができていけばいいと思っています。
麹町中学校には、STEAM教育として、ロボティクス、ドローン、3Dプリンタのカリキュラムを実施。3Dプリンタのカリキュラムでは、出力するオブジェクトの体積によってコストが変わるので、そこを計算する部分で数学とリンクした。 #Qubenaで授業がどう変わったか
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年5月25日
「自分が学んだ数学が、どういったものにつながっているのかということを、最先端テクノロジーで理解できる」ようになっている。 #Qubenaで授業がどう変わったか
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年5月25日
先生方との協同による授業改善。思考授業を最初にして、導入中期からは、スタディログを活かして授業改善。導入後期にかけて、対話的で主体的な授業づくりをしていく。けっこう騒がしい授業だが、それこそが、「対話的」で「主体的」だと言える。 #Qubenaで授業がどう変わったか
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年5月25日
麹町中学校での先生方の声として、「授業ができなくてさみしいな」というのもあったが、生徒たちの変容が見えることで先生方も変わっていく様子が見られた、と神野さん。 #Qubenaで授業がどう変わったか
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年5月25日
麹町中学校でのQubenaの使い方が唯一絶対の方法ではもちろんありません。それぞれの学校にあったQubenaの使い方があると思います。そうした使い方の事例報告は、このあとのパネルディスカッションで聴くことができました。
No.2に続きます。
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(為田)