2023年12月16日に、かが交流プラザさくら でSTEAM FES KAGAが開催されました。午前中に、市内中学校6校と小学校のSTEAM先行実施校8校の児童生徒が、自分たちが取り組んだ課題解決や活動を通して学んだことについて発表するKAGA STEAM Presentationが行われました。
各校のプレゼンテーションのなかから、特にSTEAM教育、授業でのICT活用の観点で興味深かったプレゼンテーションを紹介していきたいと思います。
加賀市立河南小学校1
河南小学校の4年生は「みんなにやさしい避難所づくり」というテーマでプレゼンテーションを行いました。高齢者や障害者について調べたときに、災害のときに避難所の生活が心配で避難できない人がいるという課題を発見し、障害があっても避難所に行ってほしいと思い、解決策を考えました。
体が不自由な人や高齢者、重いものが持てない人のために、荷物を運んでくれるロボット「はこぶくん」は、センサーを使って後ろからついてきてくれるようにプログラミングされています。その様子を実演してくれました。
また、聴覚障害者用のロボット「楽ちん知らセング」は、避難所生活で食事や危険を振動と文字盤を光らせて知らせてくれるロボットです。視覚障害者が使えるように音が出るようにしてあるそうです。
加賀市立河南小学校3
河南小学校の6年生は「思い出に残るお化け屋敷」というテーマでプレゼンテーションを行いました。プログラミングを使えばもっと全校を楽しませられるのではないかと考えて、プログラミングを使ってより楽しいお化け屋敷を作ったそうです。
具体的には、LEDを使った道案内をしたり、音が鳴る仕組みや、ものが動く仕組みを使ってお化け屋敷のしかけを工夫していました。LEDを使って絵の中の目が光るしかけをつくったり、音がなる仕組みを使って突然音を鳴らして驚かせたり、実験しながら作っていったそうです。お化け屋敷を楽しんだ保護者からは、「音の演出が怖さを盛り上げていた」という感想をもらったそうです。
加賀市立橋立中学校
橋立中学校は「アバターを利用して」というテーマでプレゼンテーションを行いました。このグループには「発表にイノベーションを起こしたい。今まで誰もやっていない方法で発表してみたい」という思いがあり、スクリーンに登場したアバターがプレゼンテーションを全編行いました。
最初だけアバターで途中からは登壇している生徒たちがプレゼンテーションをするのかな、と思っていましたが、最初から最後までアバターがプレゼンテーションをしていました。こうした選択肢が出てきたのはとてもいいなと思います。人前でのプレゼンテーションが苦手な生徒たちにも、原稿を書いてアバターに自分の代わりにプレゼンテーションしてもらう、という選択肢ができます。
アバターがプレゼンテーションをしてくれる準備として、音声変換をどんなふうにやっているのか、原稿をアバターに読んでもらうようにどうやってプログラムしたのか、ということを紹介してくれました。
後半は、そのままアバターが「空から特産物」をドローンで届ける課題解決の提案をしてくれました。サイトを訪問して音声で注文をすると、そこで受け付けた注文をドローンで届けてくれるシステムです。ここでも、さまざまなテクノロジーが使われていました。
プレゼンテーションの最後にスタッフロールが流れて、すごくたくさんの役割と担当した生徒の名前が流れました。
使用ソフトウェアも「アバター作成:VRoid」「トラッキングソフト:kalidoface」「音声合成:VOICEBOX」「ドローン:Scratch3・Trello」「WEBサイト制作:Canva」「音声購入サイト:Stretch3」「翻訳通話ソフト:Skype」というように表示されました。こうしてどのようなソフトウェアを使ったのかが公開されることで、この道に続く学校も出てくるのではないかと期待しました。
No.5に続きます。
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(為田)