2023年11月20日に聖徳学園中学・高等学校を訪問し、鶴岡裕一郎 先生が担当する中学2年生の「総合的な学習の時間(STEAM)」の授業を参観させていただきました。生徒たちは伊藤手帳株式会社とのコラボレーションで行われる「手帳をつくろう」というプロジェクトに取り組んでいました。生徒たちは4~5人のグループに分かれて、「手帳」の商品開発を企画します。
手帳の企画を考えるにあたり、「商品のコンセプト」「ターゲットは誰か」「いつ商品を使うのか」「商品を使う目的は何か」「どのように商品を使うのか」ということをグループで考えていきます。
授業を参観した翌週の11月27日に中間審査会が予定されていて、各グループで自分たちの考えた手帳についてプレゼンテーションをすることになっていました。そこで、生徒たちは、考えた手帳のコンセプトを伝えるプレゼンテーションを制作し、プレゼンテーションの練習をするところまでしなくてはなりません。
鶴岡先生はTEDでHans Roslingさんが行ったプレゼンテーションを生徒たちと一緒に見ました。IKEAのコンテナを使ったプレゼンテーションを見せることで、スライドを投映して見せるだけでなく、何か実物を使ったプレゼンテーションを行うことも可能だ、ということを伝えます。
さらに、鶴岡先生は昨年度の2年生が同じ「手帳をつくろう」のプロジェクトに取り組んだときに行ったプレゼンテーションの様子を動画で見せます。こうして昨年度の先輩たちの動画を見せることができるのは、学校の授業ならではで、とてもいいことだと思います。
「去年の2年生は、プロトタイプの手帳を作ってきたグループもあった。実際のものがあることで、伝わりやすくなります。参考にしてほしいと思います。また、想定される質問への回答も用意しておきましょう」と鶴岡先生は言い、生徒たちはグループでの活動をスタートさせます。
鶴岡先生は、各グループのテーブルをまわって、進捗状況を確認し、企画内容を磨くための問いかけをしたり、アドバイスをしたりします。何かを教える・指示をする、というのではなく、より良くグループ活動ができるようにファシリテーションをしているイメージでした。
実際に手帳を作っている伊藤手帳とのコラボレーションだからこそ、本気の提案をする必要があると思うし、本気のフィードバックを得られるので、学校と外部を繋いだこうした機会があるのはとていいことだと思います。
最後に、グループで作成したプレゼンテーションのデータをAirDropでグループ内で共有します。グループで作ったものを、グループ全員で共有しておく、というのは、当たり前のことではありますが、意外とされないままのプロジェクトもあるなと思っていました。プロジェクト活動をするなかで、こうした習慣が普通になるのはとてもいいことだと思います。今後、さまざまな場面でデジタルを使っていく生徒たちにとって、必要な体験だと思いました。
(為田)