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仙台市立六郷小学校 公開研究会レポート No.2(2018年12月7日)

 2018年12月7日に仙台市立六郷小学校の公開研究会「「対話」を通して学びを深める授業づくり〜学びの基盤としての情報活用能力を手がかりに〜」を取材させていただきました。
 公開されていた2つの授業をレポートします。

公開授業 6年社会「私たちの生活と政治-国の政治のしくみ」

 参観した授業の1コマ目は6年社会科「私たちの生活と政治-国の政治のしくみ」(菅野美香先生)でした。投票率が下がることで日本の政治にどのような影響を与えるかを考えるために、映像資料から必要な情報を読み取ることができるようになることをねらった授業でした。この授業では、指導の手立ての一つとして知識構成型ジグソー法が取り入れられていて、本時の中心はエキスパートグループ(専門家グループ)での活動でした。
 エキスパートグループでは、全員で映像資料を視聴→相手に情報を伝えるときに大切なことを話し合う(付箋に短い言葉で表す)→一人一人が映像資料のキーとなるシーンをキャプチャしアルバムとして保存する→キャプチャした画像の順序を自分の考えに合わせて入れ替える→付箋とキャプチャ画像を使って自分の主張を構成しグループ内で共有する、という流れでした。
 一人一人の子どもたちが自分の考えを整理して構成していく過程に友達との対話が組み込まれることで、考え直したりブラッシュアップしたり、自信を深めたりしていく姿が見られた授業でした。
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 今回の公開研究会では、6年生社会科は4つのクラス(全クラス)が授業を公開しました。18時間扱いの単元のうち、7時間目、10時間目、11時間目、12時間目の授業でした。1単位時間では本時の内容を学ぶのにふさわしい教材とICTが活用されていて、単元としてみるとワークシートあり、教育番組視聴あり、一人一台のタブレットあり、思考ツールありと、単元設計がきちんとなされていることがよく分かりました。六郷小学校では「情報活用能力育成カリキュラム」の作成と運用を通して、教科のカリキュラム・マネジメントが機能していることがよく伝わってきました。

公開授業 4年総合的な学習の時間「考えよう!未来の「キッズスマホ」」

 公開授業の2コマ目は4年総合的な学習の時間「考えよう!未来の「キッズスマホ」」(手塚琴美先生)でした。スマートフォンを扱う上でどんなことに気をつければよいか考えながらグループで話し合い、未来の「キッズスマホ」の機能と特徴を考えることを通して、探究スキル「複数の情報を組み合わせて、新たな考えを作る」や情報モラルを身につけることをねらった授業でした。
 4年生でも知識構成型ジグソー法を取り入れていましたが、特徴的なのはクラスの枠を外した学年全体でエキスパートグループを編成していた点でした。前時までの3時間がエキスパートグループでの調べ学習に使われていて、本時は学級ごとのジグソーグループとしての活動でした。学級内でも4人グループを作っていて、ジグソー法のグルーピングが入れ子のように構成されているのはとても興味深いものでした。学年全体で動いているので、板書や話し合いのポイントが統一されているのも特徴的だと感じました。
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 子どもたちが「こんなキッズスマホがあったらいいな」を考える条件として「自分たちが使っていて楽しいと思える機能があること」「家の人に、安心して使わせられる、と思わせる機能があること」が示されていました。「使って楽しい」という条件は、ともすると建前が先行してしまいがちな子どもたちに実際感を持たせることに役立っているなと感じました。ユーザーである自分たちが満足できることと、保護者の立場とは背反するものではないことを、子どもたちが意識して情報モラルを学ぶというのはとても価値が高いと思いました。

 No.3に続きます。
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(佐藤)