教育ICTリサーチ ブログ

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書籍ご紹介:『対話を生み出す 授業ファシリテート入門』

 京都教育大学附属桃山小学校の若松俊介先生から、著書『対話を生み出す 授業ファシリテート入門』をお送りいただきました。ありがとうございます。

 話し合いで深い学びを実現する授業のために、ファシリテーションをいかに活用するかを学べる本です。片山先生が書かれている1章~4章では、「ファシリテートの基本」「ファシリテーターの心得」「ファシリテートするためのスキル」「振り返り(省察)」について書かれています。個人的には、4章の「振り返り(省察)」はいま取り組んでいる教材作成に深く結びついているので、学びが多かったです。

 若松先生が書かれている5章~8章では、授業でのファシリテート・スキルをどのように用いていくのかが実践的に書かれていました。発問の仕方や、子どもたちへの問い直し方など、具体的な事例をたくさん読むことができます。
 この本のなかでは、ICTに特化しての活動というのは書かれていませんが、もちろんファシリテートのスキルをICTと組み合わせて使うことも可能です。ファシリテートのスキルを使う場面のなかで、ICTによって効果が上がる部分/あまり変わらない部分/効果が下がる部分、というのもあると思うので、授業支援のアプリなどを活用するときには、ファシリテートのスキルと合わせて考えるとより良い授業になるのではないかと思いました。

 若松先生の授業は何度も見学させていただいていて、発問から子どもたちが自分で自律的に・自走的に考えていく様子が素晴らしいと思ってみています。ここでもICTは活用されていますが、重要なのは、ICTの活用ではなく、その背景にあるファシリテートのスキルなのだ、ということが、この本を読むとわかりやすいように思いました。
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(為田)