本日は、私塾界リーダーズフォーラム 2015のパネルディスカッション「ICTがつなぐ学校と塾と家庭」において、モデレーターをつとめてきました。
第3部のパネルディスカッションが始まりました。テーマはICTがつなぐ学校と塾と家庭。 pic.twitter.com/cR33ph8TGN
— 『月刊私塾界』編集部 (@shijyukukai_jp) 2015年5月18日
パネリストとして登壇されたのは、豊嶋基暢氏(文部科学省 生涯学習政策局 情報教育課)、加藤泰久氏(NTTサービスエボリューション研究所 主幹研究員)、代田昭久氏(武雄市 教育監 兼 武内小学校 校長)、大橋清貫氏 (三田国際学園 学園長)、北川雅洋氏(アネムホールディングス 常務取締役)です。
教育×ICTのパネルディスカッションは、いろいろありますが、こうして文部科学省×企業×公立学校×私立学校×学習塾、という組み合わせはなかなかレアではないかと思います。
「いろいろな講演やパネルディスカッションに出ていますが、こういうのは珍しいです」とおっしゃっていただいたり、「まとまらなさそうですね…」とおっしゃっていただいたり。
聴衆のほとんどは学習塾関係者(経営者の方、先生方)だったので、「学校のことは関係ない」とかではなくて、何かそこから考えるきっかけを得られるように、議論をモデレートしようと考えていました。
一応、だいたいの進行は考えてありました。が、実際に走り始めたら、「あの話も聞きたい」「この話も聞きたい」とどんどん広がってしまいました。
議論を振り分けていくモデレーターの僕の想像を超えて、どんどん話が広がっていき、本当にあっという間の2時間でした。
楽しい議論を追いかけているのに一生懸命で、まとめるところまではまったく手が回らなかったのですが、こんなキーワードが出ましたよ、というのだけをメモ的にアップします。きちんとしたレポートは、「月刊私塾界」の方でレポートされますので、そちらをお待ちいただければと思います*1。
- 「良い授業だなあ」と思う授業は、「さあ、ICT使うぞ」っていう授業は一つもなかった。
- 埋め込まれている、という感じ。
- ICT教育という言葉自体がはやくなくなればいいと思っている。
- 明日から急には変わらない。
- ICTを入れると、学校の先生は忙しくなります。
- 授業時間中に「子どものことを考えなければならない」から。
- 急には変えられない。が、今から第一歩を踏み出さなければならない。
- 歩幅はみんな違っていてもかまわない。
- 技術はツール。そのツールをどう使うのか、というのに先生方の知見は欠かせない。
- 反転授業、電子黒板などは、ICTではない。そうしたところを、どう血肉にするか、というのが大事。
- 武雄市は、1人1台だったら、持ち帰りをさせたいと考えた。宿題とドリルをやっているのであれば、21世紀型の教育ではありません。
- 「大変な時代に生きているんだ」というのを、保護者と共有できる時代だと思う。大学に行ってからではなくて、中等教育からやりたいと考えている。21世紀型の社会に生き残るスキルなのだ。
- ICTは思考の道具だ。
- 正解を知ってしまうのは簡単だ。だからこそ、正解のないものを授業として取り入れる。正解のないものに取り組むために、トリガークエスチョンを出している。
- ICTを使った実践事例集を出している。
- 教育再生実行会議の提言
- 協働学習でもなんでも、ベースとなっている知識がコアになっていなければならない。
- 知識を理解して、自分で身につけておくことが、今まで以上に必要になる、ということがベースになっている。
現代の小中学生は横軸でバラバラの情報をどう繋げるかということが課題。現代の子供達がデジタルネイティブと言われるが、ICTがあるないに関わらず、力をつけなければいけない力は変わらないという話。 #SJKLF pic.twitter.com/NNABVw998H
— 『月刊私塾界』編集部 (@shijyukukai_jp) 2015年5月18日
- 学びのスタイルが変わるけど、これまでの学びはそのまま残る。
- 学びの軌跡がわかること、はデジタルの強み。
- 一人一人の過程を理解することは、そう簡単ではない。
- ここ2~3年で、さまざまなことができるようになってきている。
- ビッグデータは「たまっているから使おう」ではない、もっと目的的に使うべきだ。
- 機械をさわっている、というのと、課題解決型だ、というのは一致しないと思っている。
- 情報活用能力を重視している。
- 機械があるかどうかは問題ではない。
- (ICT機器やシステム、コンテンツなどについては)需要が高まらなければ、供給の質は上がらないし、価格も下がらない。
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こうしてメモを読み返すだけでも、おもしろかったなあ、と思い返すことも多いのですが、まだまだいろいろなことを知りたいな、と思った次第です。もっともっと、現場を見たいし、先生方と話をしたいし、変わっていく授業を見て行きたいと思いました。
今回、機会をくださった私塾界の山田社長、松本さん、ありがとうございました。パネリストの皆さん、つたないモデレートでしたが、どうもありがとうございました。
今後共、精進してまいります。どうぞよろしくお願いいたします。
(研究員・為田)
*1:パネルディスカッション中に書いたメモで、不正確な点もあるかもしれません。その写し間違い、表現ミスについては、為田に責任があります。恐れ入りますが、ご指摘いただければと思います。