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奈須正裕『「資質・能力」と学びのメカニズム』 ポイントメモ

 奈須正裕『「資質・能力」と学びのメカニズム』を読みました。「資質・能力」がどうして重要なのか、ということが本当にわかりやすく、順を追って説明されていて、わかりやすかったです。

 「第2章 資質・能力を基盤とした教育」の扉には、「子供の学びへのQ」と書かれていて、以下の3つの項目が書かれています。

  • とにかく知識量を増やしてあげないと、どうにもならないのでは?
  • 「B問題」の正解率はどうしたら上げることができますか?
  • 結局、最近の子供は根性や気合が足りないのではないですか?

 本当に、そうだなあと思うところもあるし、正直このあたりがはっきりどうなったらいいのかが自分でもわかりません。

 「第2章 資質・能力を基盤とした教育」の中では、資質・能力に対応する英語として、「コンピテンシー(competency)」が紹介されます。コンピテンシーは、「教科等を横断する汎用的なスキル」とされています。

ここで気を付けるべきは、従来の学習指導要領において各教科等の主要な「内容」(コンテンツ:content)であった領域固有な知識や技能を、コンピテンシーと対立する位置に置き、あれかこれかの二者択一で思考する過ちを侵さないことです。

 いかにもなりそうだ…と思ったりもします。これから、移行期間を迎え、新しい教科書が用意され、だんだん具体化してくるのでしょうが、やはり最終的にどう授業に反映されてくるのか、先生方の考え方や教え方や評価の仕方がどう変わってくるのか、その部分を見ていきたいと思っています。

 「第4章 各教科等の特質に応じた「見方・考え方」」も、とても勉強になりました。この章の扉には、「教科の本質へのQ」と書かれていて、以下の3つの項目が書かれています。

  • 「見方・考え方」というのはそもそも、どういったことを指していますか?
  • 「対象」や「領域」で各教科等を特徴付けることと何が違うのですか?
  • 各教科等ごとに、役割をきっちりと分担していくべきということですか?

 他の部分に関しても、本当に考える機会をたくさんくれた本でした。何度も読み返したくなるように思っています。読んだ先生方と一緒にディスカッションしてみたいです。

(為田)