2017年12月16日に、小金井市立前原小学校の松田孝校長先生と一緒に、先生のためのプログラミング冬期講習会@仙台をNTTドコモ東北支社の会議室で開催しました。先生方にプログラミングを学ぶというのはどういうことなのかを体験していただけるように、今回は、午前中に【低学年編】、午後に【フィジカルコンピューティング編】として、プログラムを設計しました。
仙台での開催は、冬期→夏期→冬期と3回目で、リピートしてきてくださる先生方も多かったです。こうして先生方のコミュニティというか、横の繋がりができていけばいいと思っています。
今回は、【低学年編】の様子を為田がTwitterで発信した内容を中心にレポートします。現場で「#先生プログラミング2017冬」というハッシュタグでTwitterでの発信もしていましたので、後日まとめたいと思います*1。
会場を準備して、皆様をお迎えする準備をしていきます。ワークが多い講習会なので、テーブルをグループ活動ができるようにして、機材を用意していきます。このときに、「どんなふうな講習会になるかな」とドキドキしています。
先生のためのプログラミング冬期講習会@仙台、会場準備完了です。NTTドコモ東北支社の阿部さん、いつもありがとうございます。 #先生プログラミング2017冬 pic.twitter.com/tSiRfkzvfh
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月15日
学校でプログラミングを教える
そして、いよいよスタート。小金井市立前原小学校の松田孝先生による、小学校のそれぞれの学年で、どういった内容をプログラミングの授業で行っているのかを紹介してもらいました。
小金井市立前原小学校の松田孝校長先生による講義、スタートしました。午前中は【低学年編】です。 #先生プログラミング2017冬 pic.twitter.com/s7whHarufG
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
プログラミングの授業では、最初に操作を説明して、「わからないときには、となりの人にきいてみて」ということを言う。最初にブリーフィング→ティンカリング→リフレクション。芸術系の授業に近いやり方をしていると思う。(松田先生) #先生プログラミング2017冬
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
いまいちばんハマっているのは、カトラリーカードとIchigoJamを使ったプログラミング。(松田先生) #先生プログラミング2017冬
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
前原小学校の各学年で、どんなテーマを用意しているのかが紹介されました。
3年生以上は、総合的な学習の時間で、35時間を使っている。3年生がコンピュータって何?→4年生がアルゴリズム→5年生がIoT→6年生はAI。(松田先生) #先生のためのプログラミング2017冬
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
単純に何を学ぶか、ということだけでなく、「教育観が変わらなければならない」ということが重要だと松田先生は続けます。
プログラミングをなぜ進めるか。子どもがたのしんで学んでいる姿を見ると、教育観がぶっ壊れるんじゃないかと思う。学校は、集団統率をする場で、意外と受け身。そんな簡単に主体的に学ぶなんてできない。子どもたちの学習観を変えないといけない。(松田先生) #先生プログラミング2017冬
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
学習観を変えないと、アクティブラーニングにならず、アクティブティーチングになるだけなのではないか。(松田先生) #先生プログラミング2017冬
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
子どもたちが生きるのは情報化社会。情報化社会でいかに主体性を発揮できるのか、というのが重要。(松田先生) #先生プログラミング2017冬
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
低学年プログラミングの可能性(必要性)。子どもたちは、デジタルネイティブだが、ユーザー。犯罪や依存などの危機ばかり言われる。主体的に関わるように、クリエイターとして「楽しさ」を体感しなければいけない。(松田先生) #先生プログラミング2017冬 pic.twitter.com/8QqN0ih89O
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
超情報化社会を迎えるために、低学年の子たちにも、アンプラグド的活動をしてもらう。それを体感してもらう。(松田先生) #先生プログラミング2017冬
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
1年生と2年生は、アンプラグドからバーチャルへ。 #先生プログラミング2017冬 pic.twitter.com/JWrom3darj
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
アンプラグドでプログラミングを学ぶ
ここから、松田先生が監修をした、「アルゴリズムえほん」を教材として紹介してもらいました。どういった観点で編集がされているのか、収録されている題材などを詳しく説明していきます。
フレーベル館の「アルゴリズムえほん」を監修。全4巻。図書館向けの本、絵本というメディアは子どもにとって馴染みがあるので、食いつきやすい。「アイデアはひとつではない」「サーチのアルゴリズム」などを取り上げる。 #先生プログラミング2017冬
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
アルゴリズムを学校生活の場で考える題材を、アルゴリズムえほんの中には書いている。1年生の子が、「アルゴリズムは作戦だ」と言っていた。そうした表現が出てくるのはいいこと。「こんなものだな」と体感できればいい。(松田先生) #先生プログラミング2017冬
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
ここで前原小学校の2年生の授業で行った、トランプを使ったアクティビティを行いました。
アルゴリズムえほんの2巻ではソートとサーチを取り上げている。大玉ころがしなどをテーマにしている。この本の中にある、サーチアルゴリズムを学ぶための、トランプを使うアクティビティをやってみましょう。(松田先生) #先生プログラミング2017冬
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
2人組で、トランプを7枚ランダムに選ぶ。1人が1枚をひいてもらう。そのカードを小さい順に伏せて並べて、さっきひいたカードを見つける(=サーチする)。なるべく少ない回数で自分がひいたカードを見つける。(松田先生) #先生プログラミング2017冬 pic.twitter.com/cmhdR4l8jt
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
実際に少ない回数で当たると、「おお!」というふうに各テーブルごとに声があがっています。ただ楽しく「当たった!」というふうにせずに、どう考えるのか、ということを考えさせるのが大事だなあ。 #先生プログラミング2017冬
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
これを2年生でやりました。ほんとうに何も考えずにやる。子どもは当てっこしちゃって楽しいで終わってしまって、サーチもアルゴリズムにもならないこともあった。自分がひいた数がいくつか知っているわけだから、それを言語化しないとだめ。(松田先生) #先生プログラミング2017冬
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
「自分がひいたカードが10だったから、大きい方に寄せて1枚目をめくってみる」というふうに作戦を言語化できるといい。(松田先生) #先生プログラミング2017冬
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
7枚のカードをランダムに選ぶのではなく、作為的に選んで…というのを各ペアで。先生方、楽しそうです。こうして実際にやってみて、クラスの活動にどう使えるだろうか?というアイデアが出るのだと思います。楽しみながら、メモをとっている先生が多いです。 #先生プログラミング2017冬 pic.twitter.com/s13UUbw9JR
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
「こういう意図でこのカードをめくったんだよ」というふうに言語化を子どもたちができるように、当たった当たらない、にしないようにしましょう。(松田先生) #先生プログラミング2017冬
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
IchigoDakeを体験!
そして、いよいよここから本番へと進んでいきます。
ここまではウォーミングアップ。ここからが低学年のプログラミングの本番。(松田先生) #先生プログラミング2017冬
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
IchigoJamとIchigoDakeの紹介。大人も含めて、コンピュータが何かがわかっていない。エアコンにもコンピュータが入っていると言うが、子どもは困っている。PCが入っているわけではない。(松田先生) #先生プログラミング2017冬 pic.twitter.com/kEOGIiPbvP
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
エアコンに入っているのは、IchigoDakeのような小さなコンピュータだということが伝わる。スマホやPCも同じ。計算の速度は全然違うんだよ、ということを説明する。(松田先生) #先生プログラミング2017冬
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
プログラミングは「命令」とこないだまで言っていたが、最近はプログラミングは「コンピュータにわかるような言葉で伝えること」というふうに言うようにしている。ロボット共生時代だし。(松田先生) #先生プログラミング2017冬
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
IchigoJam、IchigoDakeは、福井県の株式会社ナチュラルスタイルさんと協力。「仙台の講演会を聞いて、とてもよかったので…」と連絡してみてください。(松田先生) https://t.co/eoo6QhuWlE #先生プログラミング2017冬
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
いよいよ、小さいコンピューターIchigoDakeを使ってみます! #先生プログラミング2017冬 pic.twitter.com/EhMOxniu9V
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
IchigoDake。 #先生プログラミング2017冬 pic.twitter.com/cuSlW4tXdj
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
「LEDをカードを並べてプログラミングして、イルミネーションを作りましょう」と言って、投げる。操作方法の説明をし終わったあとは、みんなでやってみる。わからないところは、友達に質問する。一緒に考える。 #先生プログラミング2017冬 pic.twitter.com/AsT7cNF0Qv
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
イルミネーション作ってます。 #先生プログラミング2017冬 pic.twitter.com/fPYVe1eWTu
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
いいのができたら、「見てみて!」と子どもたちが集まってきます。(松田先生) #先生プログラミング2017冬 pic.twitter.com/rmgApctqO7
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
イルミネーション、きれい!こういいうのができるのです!子どもたち、楽しそう! #先生プログラミング2017冬 pic.twitter.com/Jq4k1YuX29
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
「待つ」のカードを置く。「ちょ、待てよ!」 #先生プログラミング2017冬 pic.twitter.com/scJwPo71db
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
みんなでプログラムしたイルミネーションの鑑賞会。電気を消して。 #先生プログラミング2017冬 pic.twitter.com/D1e83z2voz
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
みんなで撮影。インスタ映え。 #先生プログラミング2017冬 pic.twitter.com/Bxd0VoZDgb
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
ロボットも動かしてみよう!
小さいコンピュータIchigoDakeを、タミヤのカムプログラムロボットに繋いで、ロボットを動かすこともできるそうです。各テーブルにあるロボットを動かしていきます。
IchigoDakeを挿し込める、IchigoIgaiというのがある。ロボットに挿し込んで動かすことができるようになる。 #先生プログラミング2017冬 pic.twitter.com/N6GVqRzdEo
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
IchigoDakeとIchigoIgaiをタミヤのカムプログラムロボットに挿し込みます。https://t.co/YC3Il2agMK #先生プログラミング2017冬 pic.twitter.com/QtUhoRgJBS
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
ロボットを動かすプログラムを書いています。「曲がらない」「止まらない…」とみんなで話し合いながら作業しています。 #先生プログラミング2017冬 pic.twitter.com/WgIo5EIrtw
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
松田先生が持ってきたフィールド上でロボットを動かします。 #先生プログラミング2017冬 pic.twitter.com/0594cL2V6j
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2017年12月16日
フィールドの上でロボットを動かし、「あれ?おかしい」と思ってまた戻ってプログラムをやり直す…という様子は、前原小学校で子どもたちが見せている姿とまったく同じ。参加された先生方が、まさに授業を体験している、と思った瞬間でした。
【フィジカルコンピューティング編】に続く。
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(為田)
*1:2017年12月17日現在、Togetterの事情でいま、まとめられないため