2018年9月13日に、筑波大学東京キャンパス文京校舎にて開催された、一般社団法人 日本教育情報化振興会(JAPET&CEC)、一般社団法人 ICT CONNECT 21共催の「平成30年度 第2回 JAPET&CEC会員交流会 ICT CONNECT 21会員交流会」に参加しました。
経済産業省 サービス政策課長(兼)教育産業室長 浅野大介 氏による「学びと社会の連携促進事業 ―平成31年度概算要求―」のプレゼンテーションから、興味深かったところをメモしました。
浅野さんの「学びと社会の連携促進事業」についてのプレゼンは、Adobe Education Forumのレポートで紹介していますので、補足的にこちらのページを読んでいただけるといいと思います。
平成31年度の「学びと社会の連携促進事業」の概算要求額の紹介からスタートします。
- 「学びと社会の連携促進事業」31年度概算要求額は18.4億円(新規)
- 事業イメージ
「未来の教室」プラットフォームでは、民間教育産業、学習塾、通信教育、教育現場にICTを入れている企業が連携して、イノベーションを起こしていくことを目指しています。民間=私教育だけではなく、当然そのなかに公教育も入ってきますし、浅野さんは「民間教育/公教育の垣根はとっていきたい。学びのあり方全体を変えていきたい。」と言います。
経済産業省との関係が深い、産業界については、就職するため、というだけではなく、既存の産業を壊して新しく作り直すような人材を作っていきたい、という言葉もありました。その中には、産業界=子どもたちの出口になるところ(就職するため、ではない)を壊して、新しく作り直すような人材を作っていきたいと思っている、と浅野さんは言います。
2020年代、学校はどういう存在に変化するか、3つの機能を果たす場として学校像が描かれています。
2020年代、学校はどういう存在に変化するか
- 「勉強」の場としての学校
- 「社会課題解決」の場としての学校
- 未知の可能性(例えば「校則」)
- 特別活動×EdTech
- 「マイ・プロジェクト」の場としての学校
- 世界に開かれた産学連携
- EdTech(ファブ・ラーニング、オンライン会話など)
- 社会的な課題でなくても、自分にとって大事な課題であるマイ・プロジェクトを解決する。質を高めるために学習の環境を作っていこうということ。
マイ・プロジェクトと教科学習が行ったり来たりすることも紹介されています。
- 「マイ・プロジェクト」は、人それぞれ。
- スポーツも、音楽も、アートも
- 地域や世界の社会課題も
- 「教科学習」のやり方も、人それぞれ。
- 理解のスピードの違い、つまづくポイントの違い
- 「教材」や「先生」との相性
- EdTechで個別最適化された学習環境をつくる。
- マイ・プロジェクトにこそ時間を使うために、いわゆる「勉強」をどう効率的にするか。
- 学びの生産性をあげよう、ということだと思っている。
- 経産省は効率性ばかりか、と言われる。
- プロジェクトと教科学習は行ったり来たりすること。教科学習が効率化されることで、マイ・プロジェクトの方に時間をかけられるようになる。
最後に、「未来の教室」実証事業 第1次公募 採択事業が紹介されました。
「未来の教室」実証事業 第1次公募 採択事業紹介
- 出会いのプログラム
- 学研プラス
- 日米連合。学研×MIT Music Blocks。
- まだUIには改善の余地が大きい。
- 一般社団法人国際STEM学習協会
- ものづくり(FAB)×課題解決
- 湘南学園中学校高等学校
- 株式会社FIELD OF DREAMS
- ライフイズテック株式会社
- IT・プログラミング×社会課題
- 福岡県飯塚市。
- プログラミングをプログラミングとして独立させない。なぜプログラミングをするのかというのを具体的にわからせるプログラムに。
- 知のナビゲーター
浅野さんは「いろいろな×(かけざん)で成り立っている。付加価値を生み出そうとしている。今までやったことがない組み合わせ、学校と事業者、研究者と学校、そうしたいろいろな掛け算を、やっている大人がワクワクしている提案」とおっしゃっていましたが、まさにそのとおりだと思います。学校を外と繋げる第一歩ともなると思います。先生方が教室でどのようにEdTechを使い、教室をアップデートしていくのかを見ていきたいと思います。
「未来の教室」のFacebookページでも、随時情報が発信されています。
No.7に続きます。
blog.ict-in-education.jp
(為田)