スマートに学べる問題集リブリーを提供する株式会社Libryの代表取締役CEO 後藤匠さんのインタビューをお届けします。リブリーは、いままで学校で使っていた問題集をタブレットやスマートフォンで見ることができるようになるシステムです。
リブリーは今までと同じ感覚で勉強できる
スマートに学べる問題集リブリーは、出版社が出している問題集をデジタル版にし、スマートな学習サポート機能を付けたサービスです。「なめらか」という言葉を大切に設計されており、生徒がこれまでと同じような感覚で勉強できるように設計されています。生徒はリブリーで出題される問題を見て、これまで通りノートに問題を解きます。そして、リブリーで解説を読んで自己採点して、その成果をリブリーに記録します。
リブリーを起動してログインすると、自分の持っている問題集を一覧できます。
その中から問題集をタップすると、目次が表示されます。どこまでやったか学習履歴を見て、勉強するコンテンツを選びます。
リブリーで表示された問題集のページをパラパラめくって、解く問題を選びます。このページのめくりがとてもスムーズなのはリブリーの特長です。
解きたい問題が決まったら、左上のボタンを押して学習を始めます。すると、問題が切り取られた状態で表示され、左上に表示されているストップウォッチが自動的にスタートします。
この問題を見て、生徒はノートに問題を解きます。解き終わったらストップウォッチを止めて、下の「解説を見る」を押して解説を表示します。そして、解説を読んで自己採点で正解/不正解の記録をつけます。自己採点の結果をリブリーに記録していきます。
リブリーの大きな特徴のひとつは、ノートに問題を解いて、自己採点するところです。すべての問題をタブレット上でデジタルで回答して採点して…というところにこだわると、証明問題や作図の問題などが、どうしても出題しにくかったり回答しにくかったり、ということがありえます。だからといって、自動採点できるように、問題を無理やり四択問題などの自動採点が可能な形に置き換えたりしてしまうと、出題意図が変わってしまい、元々のコンテンツの良さが失われてしまいます。それではコンテンツの良さを活かしていることにはならないとリブリーは考えているそうです。
今までの学習と同じようにノートに解くので、証明問題でも作図問題でも、何でも出題することができます。「いまやっている授業になじみやすい」「デジタルとアナログのバランスが素晴らしい」と、リブリーを使っている先生方にも評価されているそうです。
リブリーは類似問題を探して出題してくれる
リブリーでは紙の問題集を使うときと同じように、問題を選び、解き、自己採点をします。ですが、デジタルであるからこその強みとして、問題に取り組んだ結果を記録した学習履歴がたまっていきます。この学習履歴を利用して、次の問題へ進むときに、さっき解いた問題に似た類似問題を出題するようになっています。このとき、問題集の枠を飛び越えて、他の問題集からも類似問題が出題されます。出版社も問題集も横断して、類似問題を出題するレコメンデーションシステムは、リブリーの特長の一つです。
類似問題を出題するレコメンデーションシステムは、「同じ単元の別問題を出題する」というのではありません。リブリーでは、高校数学の領域だけで1000を超える属性を定義しています。例えば、「場合の数と確率」「メネラウスの定理」といった学習指導要領で使われる言葉から、「ポリアの壺」「接することの証明」などといったマニアックな属性まであります。それぞれの問題にその中からその問題を解くために必要な複数の属性をつけ、その属性を使って類似問題を出題しています。
リブリーでは問題を間違えると、より簡単な類似問題が推薦され、逆に正解した場合はより難しい類似問題が推薦されるようになっています。同じトピックの問題をいろいろと解くことができるので、応用力がついてきます。
この類似問題の検索機能は、後藤さんが大学受験生の頃、「自分が間違えた問題に似た問題を探す」ために、自分の持っている問題集を探したり、本屋さんに行っていろいろな問題集を立ち読みしていたそうで、「世の中のいろいろな問題から、似たような問題を探せるようになったらいいな」という本人の経験から搭載された機能のようです。
学校現場では、授業の中で教科書の章末問題を解いてから、傍用問題集や参考書を含めた類似問題から何問か、自分で問題を選んで解くことを宿題としている学校もあるということです。授業で学んだ知識の振り返りを促しながらも、生徒の自主性を養うために自分で問題を選んでもらっているそうです。
No.2に続きます。
blog.ict-in-education.jp
(為田)