学習塾ロジム塾長の苅野進さんから、著書『10歳でもわかる伝え方の授業』をお送りいただきました。
学習塾ロジムは、問題解決力とロジカルシンキングを身につける塾です。ICTはそれはそれで重要ではありますが、その基盤として「いかに考えるか」ということは重要であり続けていて、そこをわかりやすく伝えるカリキュラムと教材を開発し続けているロジムさんはとても重要なプレイヤーだと思っています。
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この本のなかで、3つのステップを踏んで伝え方をマスターしていくつくりになっています。これらを問題例を示しながら練習していけるようになっています。(p.5-6)
- 【ステップ1】最初の壁「あなたは“何が”言いたいのかわからない」
- 「言いたいこと」+「根拠」+「具体例をシンプルに提示」
- これができていないと、相手はあなたの「言いたいこと」を読み取れません。
- 【ステップ2】2つ目の壁「あなたの『だから』を相手は理解できない」
- 「根拠」、つまり「なぜなら」で表現されている理由に対して、相手が納得できない場合があります。
- 【ステップ3】最後の壁「あなたの理屈はわかるが、同意できない」
- それぞれが、立場や事情によって論理的に考えた結果です。相手に動いてもらうには、「相手の理屈」を理解しなければなりません。
さまざまな問題例が書かれているので、ワークシートのアイデアもたくさん浮かびます。紙のプリントで作成するのもいいと思いますし、schoolTaktやロイロノート・スクールを使ってワークシートを提出してもらって、みんなの書いたワークシートを共有するのもおもしろいと思います。
また、霞ヶ関文学についても書かれているところがあって、「ロジックをしっかり追える人」を増やすことの大切さについても考えさせられます。
「10歳でもわかる」と書かれていますが、自分自身も含めて大人でもできていない部分は多いので、子どもと一緒に読んでみたり、授業の教材として使っていくこともできる本だと思います。興味がある方はぜひ、手にとって見ていただければと思います。
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2年前にもこのブログでは、同じ苅野さんの『自分の頭で「考える力」が身につく5つの授業 10歳でもわかる問題解決の授業』も紹介しています。こちらも合わせて、ぜひ。
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(為田)