2021年1月に、田園調布雙葉中学高等学校の小林潤一郎 先生に高校3年生の情報の授業の様子を伺いました。小林先生の情報の授業では、パソコンスキルだけではなく、表現スキル・思考スキルの獲得も目指しています。そのため、インプットの機会やアウトプットの機会が多く用意されていて、僕も何度か授業に参加させていただいたことがあります。
今回は、「AI」をテーマとした授業の様子を伺いました。高校3年生に授業の最初に「情報の授業に何を期待していますか?」と「あなたにとってAIとは?」という2つの問いに答えてもらっていたそうで、その回答を見せてもらいました。
- 「この授業に何を期待していますか?」
- 「あなたにとってAIとは? 自由に表現してください」
- 大量の情報を元に時には人間より正確に物事を分析するもの。
- 社会をより良くする可能性を無限に秘めた手段。
- 仕事を奪ってくる脅威であると同時に、それなしでは過ごしていくことのできない存在。逆に、人間にしかできないことを考えさせてくれる存在。
- ペッパーくんなど日常生活でも身近な存在になっていて便利なものだと感じますが、将来AIが人間をコントロールしてしまうというのが現実になってしまうのではないかという不安も少しあります。
- 単純な作業を簡略化できる便利な道具。
プログラミングやAIが、理系の人だけのものではなく、文系であっても関係があるのだというコメントがあるのが印象的です。
2021年1月29日には、ゲストとして、『文系AI人材になる』の著者であるZOZOテクノロジーズの野口竜司さんに参加してもらって、「文系AI人材になる」のダイジェスト解説をしてもらい、AI企画ワークシートを書いて、野口さんに発表するという機会を設けていました。
こうしてAI企画ワークシートを作ったあとは、2月5日と19日には、事業化支援Webアプリ「StartDash」を使って、ビジネスモデルを作るワークショップを行っていました。そちらの様子は、Sony Startup Acceleration Program(SSAP)のサイトで紹介されています。
sony-startup-acceleration-program.com
AIについての知識を知るだけでなく、そこから実際の社会課題の解決に向けての企画を考え、またそれをビジネスモデルにまで落とし込むところを授業のなかでできるのはとてもいいと思いました。こうしてビジネスモデルを考えてみることで、いまあるAIサービスやこれから生まれてくるAIサービスを評価するときの軸もはっきりしてくるのではないかとおもいました。
(為田)