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常翔学園中学校・高等学校 授業レポート No.1(2023年6月22日)

 2023年6月22日に常翔学園中学校・高等学校を訪問し、勝浦英吾先生が担当する高校1年4組の化学基礎の授業を参観させていただきました。勝浦先生の授業では、黒板を使った解説も行っていますが、iPadでロイロノート・スクールを開いて書き込んでいる生徒と、紙のプリントに書き込んでいる生徒がいました。
 勝浦先生は、授業中に配布するプリントだけでなく、問題集も含めてすべての教材を生徒たちがiPadで見られるようにしているそうです。iPadのロイロノート・スクールの画面にぎっしりとカードが並んでいる生徒もいました。ロイロノート・スクールのなかで、先生から配られた教材、自分で作成したカードなどをいつでも参照できるようになっているのだと思います。

 勝浦先生は、以下の3つの方法で教材を生徒たちに提供しているそうです。

  • 空欄が「空いている」プリントを、「教室」で「紙」で配布
  • 空欄が「空いている」プリントを、「ロイロノート・スクールの資料箱」で配布
  • 空欄が「埋まっている」プリントを、「ロイロノート・スクールの資料箱」で配布

 生徒たちはどの方法で学ぶか自分で選ぶことができます。プリントの穴埋めをしながら整理をしたい生徒は、空欄が空いているプリントを選びます。どれくらいメモを追記したいかによって、紙かデジタルかを選んでいる生徒もいるでしょう。
 空欄を埋めることにではなく、メモをとることに集中したいという生徒もいるので、最初から空欄が埋まっているプリントも配布しているそうです。
 ロイロノート・スクールは、生徒たちが自分のスマートフォンを使ってログインできるようになっているので、通学途中にプリントをカバンから取り出すことなくスマートフォンを使って勉強することもできるようになるので、そうした観点で選んでいる生徒もいるそうです。

 「それぞれどれくらいの生徒たちが選んでいますか」と勝浦先生に訊くと、「データでもらっているのが7割、紙が3割くらいでしょうか」と言っていました。もちろん、いつでも学び方を変更することもできるそうです。ロイロノート・スクールの資料箱に入れることはクラス全体に対して1回行えばすむので、プリントを紙でもらいたい生徒の分、印刷して配布する数が変動することになります。

 授業の終盤では、板書をiPadで撮影している生徒も多くいました。板書の写真も、ロイロノート・スクールの中のカードとして保存されて、いつでも好きなときに見直すことができるようになります。学習者が自分で学び方のスタイルを選べるようになっているのがいいと思いました。

 No.2に続きます。
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(為田)