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森村学園初等部 授業レポート No.2 (2022年6月23日)

 2022年6月23日に、森村学園初等部を訪問し、川窪章資 先生が担当する4年菊組の算数の授業を参観させていただきました。

 授業の最初に、紙で計算プリント(問題は6問)に3分間で取り組んでいました。時間内に全部を解けない子がほとんどのなかで、川窪先生は「全部できなくても全然大丈夫。ただ、昨日の自分よりできるようになろう」と子どもたちに声をかけていました。
 一人1台のiPadがあるので、デジタルドリルの導入も検討し、実際に使ってみたそうですが、計算問題に取り組んでいる子どもたちの思考のプロセスをしっかり見たいので、ここはアナログでやったほうがいいだろうと判断して、計算プリントを使っている、ということでした。
 こうして、アナログとデジタルのメリット・デメリットをしっかり検討した上で、どちらを使うかを選んでいるのが素晴らしいと思います。

 計算プリントの後、「250÷50=5」という計算を先生が電子黒板に書きます。子どもたちからは、「よゆー!しゅんさつ」という声があがったので、「どう考えたらいいのかをカードに書いてみよう」と川窪先生は言います。

 子どもたちは、ロイロノート・スクールでカードに自分の考えを書いて提出していきます。川窪先生は、画面を2つに分割して、半分でロイロノート・スクールの提出箱の画面を表示し、もう半分でロイロとストップウォッチを表示していました。

 カードを提出し終わったら、どんなふうに考えたのかを隣の人と説明し合う時間をとりました。川窪先生は、「隣の人の説明を聴いて、自分のカードをもう一度書き直してもOK。自分の考えたカード、友達の良いところを盗んで書き直して提出していいですよ」と言います。

 この活動をしているときに、提出画面を見ていた川窪先生が、「あ!○○くん(欠席している子)も提出してくれてる!こういう使い方もあるんだね。みんなもお休みしたときに、算数の時間にちょっとロイロノート・スクールをのぞいてみてもいいかもしれないね」と言っていました。こういう使い方もある、ということを子どもたちに示すことができるのはいいな、と思います。

 「この人の説明がわかりやすかった、っていうのはありますか?」と先生は訊きます。子どもたちの書いた、「0をけしてもいい」「10の束で考える」という考え方について、説明できるひと?」と言って、何人かに説明してもらいます。

 子どもたちは積極的に手を挙げて、どんどん説明をしていきます。一人1台のiPadでロイロノート・スクールを使って授業をしていますが、こうしたみんなで挙手をして、意見を発表し合って、先生がホワイトボードに子どもたちの考えをまとめていく、という部分と共存をしています。最初にやっていた計算プリントもそうですが、子どもたちの学びの場としての授業をより良いものにするために、デジタルとアナログをどうバランスよく使っていくかを追求されている様子が伝わってきました。


 No.3に続きます。
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(為田)