弊社フューチャーインスティテュートは淑徳小学校放課後クラブ「淑徳アルファ」内で、コンピュータを使ってさまざまな活動を行う授業「カズトロジー」を実施しています。2024年度の4月から5月にかけて3年生のクラスで「ショートショートを書こう」と題して、お話を考える授業をやってみました。この授業は、ショートショート作家である田丸雅智さんの『たった40分で誰でも必ず小説が書ける超ショートショート講座』で紹介されていたワークショップを実践してみたものです。
今回は、「ショートショートを書こう」の4回目の授業を紹介します。子どもたちはどんどん文章を書いていくのですが、その過程でスクールタクトで画像を検索して挿入していく子が増えていきます。画像を挿入するのは楽しいですし、挿入した画像からアイデアを広げて文章を書いていく子もいます(もちろん、ふざけておもしろ画像をたくさん挿入する子もいます)。
自分の書いている作品に合った画像が出てこないことも多く、「為田先生、○○が出ない~!」という声が多くあがったので、生成AIで画像を作ってもらうことを紹介しながら使うことにしました。
僕がMicrosoftのCopilot GPTの中から、画像を生成するMicrosoft Designerを開いて、「ペンギンが車に乗っている写真を作ってください」のようにプロンプトを僕が実際に入力して、画像が生成される様子をみんなで見ていきました。
「こうやって、どんな画像がほしいかを入力すると、生成AIが画像を作ってくれます」と説明すると、「すごい!」「おもしろい!」「変な画像!」とさまざまな声があがっていました。
生成AIで画像を作るのがどんなことかわかったところで、「でも、これは小学生のみんなは年齢制限があって使えないので、僕がみんなの代わりにAIにお願いをします。だから、スクールタクトの授業チャットに“こんな画像がほしい”というのをどんどん書いてください。一つずつ、AIに作ってもらいます」と言うと、子どもたちがどんどんチャットを送ってきます。
送られてきたチャットに書かれていた文章をそのままプロンプトにして画像を生成し、4枚表示される候補の中から1枚を選んでスクールタクトのマイドライブで校内限定の範囲でアップロードします。ここで、「オオカミがふくをきてあるいているしゃしん、できました」というように授業チャットに僕が返事を書き込むと、みんなが画像を見る、という感じで授業を進めてみました。
個人的にいちばん好きだったのは、「焼肉で友だちがゲームばかりしていたらお母さんに怒られた写真」というプロンプトです。このプロンプトで作られた画像が貼られたページのストーリーもおもしろかったです。
生成AIが作ってくれた画像を見て、「思ってたのと全然違う…」という子ももちろんいました。そういうときには、「それじゃ、次はもうちょっとAIにわかりやすく伝わるように書こうよ。例えば、色や大きさなどをもっと詳しく書いたら、違うかもしれないよ」と伝えると、だんだん授業チャットに流れてくる子どもたちのメッセージが具体的なプロンプトに変わってきました。
授業チャットでみんなが見えるところでプロンプトがどんどん流れていくので、クラス全体で「こんな感じに書いたらいいのか」ということが共有されたのがとてもよかったと思います。これが擬似的ではありますが、プロンプトを書く練習にもなっているように思いました。
No.4に続きます。
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(為田)