教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

教材に使えるかも?: BBCニュース「アメリカ空軍士官学校予備校での人種差別に対する学校のメッセージ」(2017年10月2日)

 Twitterで流れてきた、「他人を尊重できないなら出ていけ」 米空軍士官学校の校長 - BBCニュース

コロラド州にある空軍士官学校予備校の学生寮で、黒人学生を侮蔑する人種差別的な罵倒が、学生の部屋のドアについた伝言板に書かれた問題を受け、士官学校校長のジェイ・シルベリア中将は9月28日、士官学校の全校生徒と教職員を集めて、このような振る舞いはまったく受け入れられないと強い調子で話した。


「他人を尊重できないなら出ていけ」 米空軍士官学校の校長 - BBCニュース


 校長が、学校全体の問題として取り組んでいることがよくわかるメッセージです。もちろん、地域の一つの学校などではなく、空軍士官学校予備校なので、そのまま比べることはできませんが、組織としてこれだけ強いメッセージを出せることが素晴らしいと感じました。
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 また、最後にみんなに「電話を出しなさい。保存して活用できるように、これから言うことを録画しなさい」と言っているのも印象的です。
www.bbc.com

 アメリカにはこういう一面もあるのだな、と思います。あらゆる国に、さまざまな面がある。当然のことですが、こうしてさまざまな面が見られるのはいいことだと思います。一面からの評価だけでなく、さまざまな面から評価できるようになるのはいいことだと思います。

(為田)

YouTubeでライブ配信!「東京都教育実践発表会」(2017年10月2日)

 東京都教育実践発表会が本日、東京都教職員研修センターにて開催されています。水道橋なので、ぜひ伺いたかったのですが、残念ながら別件と重なっていて、参加できませんでした。
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 テーマは2つ設定されています。

  • オリンピック・パラリンピックを見据えた体育・健康教育の推進~子供の体力・健康をどう育むか~
    • 教育実践の発表
      • 運動に親しみ、自らの力で健康的な生活を営む子供の育成(昭島市立成隣小学校)
      • 子供の体力・健康を育む取組(町田市立つくし野中学校)
      • オリンピック・パラリンピック教育の取組(都立八王子東特別支援学校)
    • パネルディスカッション
  • グローバル社会を生き抜く人材の育成~子供のコミュニケーション力をどう育てるか~
    • 教育実践の発表
      • 国際教育の取組 ―英語科・国際科を通して―(中央区常盤小学校)
      • コミュニケーション力の育成(福生市福生第五小学校)
      • ICT機器を活用した指導の展開(荒川区立第三中学校)
      • グローバル社会を生き抜く人材の育成(都立杉並総合高等学校)
    • 特別講演「グローバル社会を生き抜く人材の育成~これからの学校教育への期待~」(ウォルマート・ジャパン・ホールディングス株式会社 執行役員 シニア・バイス・プレジデント 最高人財責任者 野田公一 氏)

 2つめのテーマは非常に興味深く、「ぜひ見たい」と思っていたら、「YouTubeライブ配信をする」ということを教えてもらい、見てみることにしました。
www.youtube.com

 こういった先生方にも見てもらいたい教育実践発表会を平日午後に行うと、「先生、見られないじゃないか!」と今まで思ってきたのですが、こうしてYouTubeライブ配信してもらえると、先生方が見ることができるかもしれません。
 また、発表をされている先生のクラスで、児童生徒が配信されている先生の発表を見る、というようなことがあってもいいと思います。大きな舞台で発表をしている先生の姿を見るということは、児童生徒にとって大きな学びになると思います。
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 …東京都教育委員会の、このリアルタイム配信は非常に意義があることだと思います。昨年の資料を見ても、リアルタイム配信のことは書かれていませんので、今年が初の試みでしょうか。ぜひ、他の自治体でも配信していただきたいです!
 …とはいえ、視聴者の数は20を超えることはありません(午後2時33分現在)。まだまだ、これは難しいな、と思っています。

 この配信がアーカイブされて、ずっと見られるのであればいいのですが。ぜひ、アーカイブとして継続的に公開することを希望します。

(為田)

授業で使えるかも?:Googleマップで海岸線を3Dで見る

 9月25日に、秋田市外旭川小学校の校内研修で、「近未来の学校教育体験セミナー@外旭川小学校」を実施しました(レポートは執筆中です)。そのときに、飛行機で秋田入りしたのですが、珍しく窓側の席で、秋田の海岸線を見ることができました。
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 すごく海岸線がまっすぐなことにびっくりしたので、Googleマップでもう一度見てみようと思いました。Googleマップを開き、日本地図を大きく見ることはありますが、それではこんなにまっすぐなことはわかりません。
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 もっと拡大してみます。見やすくなってきました。でも、まだあんまり直線的な海岸線な様子は見られません。
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 さらに拡大します。「秋田空港」をキーワードで検索します。すると、地図中央あたりにピンが立ちました。海岸線、直線な様子が見えるようになってきました。
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 Googleマップ左下の「航空写真」のボタンをクリックして、航空写真に地図を変えてみます。
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 さらに、右下の「3D」ボタンを押して、地図を3D表示にし、Ctrlキーを押しながらドラッグすることで、自由に角度を変えられます。飛行機の視点で海側から秋田空港へのアプローチをしてみました。そうそう、こんな感じでした。再現できてうれしいです。
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 Googleマップで、この3D表示を見せられるようになれば、社会科の日本の国土や外国の地形などについても、いろいろな角度で見せることができるようになります。
 児童生徒が全員タブレットをもっていなくても、この3D地図を提示するだけで、よりわかりやすい説明ができるのではないかと思います。

 どんな地形をGoogleマップで見せたらいいか、先生方に教えてもらって、リンク集とか作りたいですね。

(為田)

小金井市立前原小学校 英語活動 授業公開レポート No.5(2017年9月15日)

 2017年9月15日に小金井市立前原小学校において、英語活動の授業公開が行われました。公開されたのは5年2組の授業で、Chromebook+EnglishCentralを活用する授業を見学してきました。5年2組の授業が終わった後で、場所を移して協議会を行いました。
 今回は、協議会の最後に、松田孝校長先生がお話された「本校の外国語(英語)活動&外国語(英語)について」のプレゼンテーションをレポートしたいと思います。

 そもそも、前原小学校では、昨年10月からEnglishCentralの利用を開始したそうです。もともとは、コンピュータによる音声認識について、「これはいい」と評価をし、端末さえあればなんとかなると考えて、導入を決めたそうです。(参考:Teacher’s Voice 3.2. 小金井市立前原小学校校長 松田孝先生:教えない授業をどうやって実践したのか – EnglishCentral In Japan

 ですが、最初は「意外と消化不良だった」と松田先生は言います。その原因を、「機器への慣れがやはり必要なんです」と分析されていました。コンピュータの通信環境はその日その日で状況が違うので、それに対応して使いこなすには、ある程度の慣れが必要だ、という松田先生のコメントを聞いて、納得がいきますこれは学校だけでなく、会社組織でも同じようなことは言えると思います。普段使いするからこそ出てくる悩みだと思います。松田先生は、「そういう慣れがないと、eラーニングなんてできない」と言っていました。
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 では、前原小学校では、どうやってその「通信や機器への慣れ」が生まれたのか。松田先生は、実は「プログラミングの実践があったからこそ、English Centralの利用につながってきている」と言いました。
 プログラミングを行えば、WEBアプリを使いますし、それぞれが違ったソリューションを見つけ、違ったコードを書いたり、違うブロックを使ったり、ということが日常的に多く発生します。これは、コンピュータに慣れるということだけでなく、先生方に「それぞれに学びかたが違う」というAdaptiveな学びについて慣れさせる結果にも繋がったのだと思います。

 プログラミング教育を実践することで、間接的に“個性的、個別的で協同のある「学び」”に先生方がチューニングを合わせることにも繋がるのだというのは、おもしろい視点だと思いました。プログラミングのように、各自がまったく違うソリューションを考え出すことを推奨する場面というのは、いろいろな教科でもあると思います。先生方がそうした方向にも対応できるようになることは、本当に大きな意味があると思います。大いに児童生徒の学びの幅を広げることが可能になるのだと感じました。
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(為田)

小金井市立前原小学校 英語活動 授業公開レポート No.4(2017年9月15日)

 2017年9月15日に小金井市立前原小学校において、英語活動の授業公開が行われました。公開されたのは5年2組の授業で、Chromebook+EnglishCentralを活用する授業を見学してきました。5年2組の授業が終わった後で、場所を移して協議会を行いました。
 今回は、協議会の中で行われた、21世紀教育応援団アイパル代表 小松健司さんのプレゼンテーション「ブレンディッドラーニングについて」から、興味深かった点をレポートしたいと思います。
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 2010年くらいからアメリカで普及している、ブレンディッド・ラーニングについては、要素とその目的について、まず確認をしていきます。

ブレンディッド・ラーニングの3つの要素

  1. 少なくとも一部がオンライン学習から成り、生徒自身が学習の時間、場所、方法またはペースを管理する正式な教育プログラム
  2. 少なくとも一部は自宅以外の監督者のいる教室で学習
  3. 一つのコースにおける学習内容は、カリキュラム全体の一部として機能するよう統合される

 すべての学習活動が学校/教室の中だけで行われるのではなく、一部をオンライン学習で代替し、学校/教室では学校/教室でしかできないことにフォーカスして学ぶ、という教室を作っていく活動だと思います。

 ブレンディッド・ラーニングを導入する目的についても、小松先生は3つ挙げています。こうしたことが実現できるならば素晴らしいと思います。

ブレンディッド・ラーニングの3つの目的

  1. 個別カリキュラム
  2. 生徒主導(学習者中心)または自律学習
  3. 達成度基準進級

 ここで目的として挙げられている3つ「個別カリキュラム」「生徒主導または自律学習」「達成度基準進級」については、小松先生は、「ある程度の習熟が必要」とおっしゃっていました。このある程度の習熟の部分を、現在の学校での教科教育で行うか、授業動画で行うかによって、ブレンディッド・ラーニングの混ざり具合(=ブレンディッド具合)が変わってくるように思いましたが、いずれにせよ、先生や児童生徒が自分にあった形で教える/学ぶができるように、選択肢は多いと思います。
 今回公開された、石井先生が担当されていたEnglishCentralを使った授業についても、家庭にChromebookを持ち帰って、自宅で単語や発音のところをじっくり練習してきて、教室ではアクティビティ(会話の練習)を多めに行う、ということももちろん可能になります。
 さまざまな形でのブレンディッド・ラーニングの事例を知りたいと思いました。小松先生の著書『ブレンディッド・ラーニングの衝撃』でも、読むことができると思います。

ブレンディッド・ラーニングの衝撃 「個別カリキュラム×生徒主導×達成度基準」を実現したアメリカの教育革命

ブレンディッド・ラーニングの衝撃 「個別カリキュラム×生徒主導×達成度基準」を実現したアメリカの教育革命

  • 作者: マイケル・B・ホーン,ヘザー・ステイカー,小松健司
  • 出版社/メーカー: 教育開発研究所
  • 発売日: 2017/04/06
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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Blended: Using Disruptive Innovation to Improve Schools

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▼参考エントリー
blog.ict-in-education.jp


 No.5に続きます。
blog.ict-in-education.jp


(為田)

授業で使えるかも?: 『プログラミングを学ぶ前に読む アルゴリズムえほん 1 アイデアはひとつじゃない!』

 小金井市立前原小学校の松田孝校長先生が監修されている、『プログラミングを学ぶ前に読む アルゴリズムえほん 1 アイデアはひとつじゃない!』を献本いただきました。

 ページの構成としては、「アルゴリズムとはどういうものか」を含んだストーリーのページと、アルゴリズムあそびというアクティビティに使えるページ、指導者向けのプログラミング授業アドバイス解説ページなどがあります。
 コンピュータを使ってプログラミングを学ぶ前に、やってみるのにいいように思います。


 さて、アルゴリズムとは何か。本書の中では、「アルゴリズムっていうのは、目的をかなえるための方法のこと」と最初に書かれています。

問題を解決するための方法や手順のこと。問題解決の手続きを一般化するもので、プログラミングを作成する基礎となる。アルゴリズムは1つの問題に対し、複数ある場合が多い。


アルゴリズム(アルゴリズム)とは - コトバンク

 ひとつの問題を解決するために、いろいろなやり方がある、ということを伝えるのは、本当に大切なことだと思います。そうした姿勢・態度を育むための方法として、プログラミング教育が使われるのはいいことだと思います。

◆ ◆ ◆

 この「アルゴリズムえほん」、全4巻となるそうです。4巻のそれぞれのタイトルは以下のとおりです。

  1. 『アイデアはひとつじゃない!~アルゴリズムって、こういうもの~』
  2. 『ならべかえたり、さがしたり!~よくつかうアルゴリズム~』
  3. フローチャートで、みらいをえがけ!~アルゴリズムのきほんの形~』
  4. 『あそべるアルゴリズム!!』

(為田)

小金井市立前原小学校 英語活動 授業公開レポート No.3(2017年9月15日)

 2017年9月15日に小金井市立前原小学校において、英語活動の授業公開が行われました。公開されたのは5年2組の授業で、Chromebook+EnglishCentralを活用する授業を見学してきました。5年2組の授業が終わった後で、場所を移して協議会を行いました。
 今回は、協議会の中での、授業の中で使われていたEnglishCentralの松村弘典 代表によるプレゼンテーションをレポートしたいと思います。
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 EnglishCentralは、現在8年目。拠点は日本以外にも、アメリカ、フィリピン、韓国、トルコ、中国、ブラジルにあるとのこと。ユーザーは300万人。日本国内の大学でも、200校で導入されているそうです。
ja.englishcentral.com


 松村さんは最初に英語の必要性を説明するときに、自身の経験やタイムマシン経営などを例に挙げて「情報格差」と呼ばれるものを説明していました。日本人は、日本語で情報収集をするため、世界からその分、どうして遅れてしまう、というものです。これは、本当にそのとおりだと思います。文献などにしてもそうですし、各種サービスにしても同様だと思います。
 そうしたことも含め、英語によるコミュニケーション能力、英語による情報収集能力は、必ず子どもたちの将来に必要となるとのことから、英語は小学校でも必修化される流れにあります。
 ですが、日本の子どもたちの英語学習環境はあまり恵まれたものではありません。その理由の第一は、「発話機会の絶対的な不足だ」と松村さんは言います。もちろん、学校の授業でも音読などの活動はありましたが、多くの人は口パクしていましたし、そもそもその発音が正しいかどうかのフィードバックを受けずに、授業が終わり、そのまま英語を話さないまま…という人が多いのだと思います。

 そうした状況を変える必要がある、というのが、EnglishCentralの目的としてあるのだといいます。松村さんは、EnglishCentralを説明するときに、「コンセプトとしては、太鼓の達人YouTubeロゼッタストーンです」と言いました。この例えが、本当によかったと思いました。

  • コンセプトは、太鼓の達人YouTubeロゼッタストーン
    • 太鼓の達人
      • 「上手なら上手」「ダメならダメ」と、フィードバックをもらえる
      • 題材も大事。新しい曲がどんどん入る。だから楽しい。
    • YouTube
      • 見続けたくなる。放っておけばいつまでも見てしまう。
    • ロゼッタストーン
      • 堅実な語学教授法が実装されていて、続けることができればしっかり語学力を付けることができる。
  • 「学習のYouTubeになりたい」

 「学習のYouTubeになりたい」という言葉は、本当にいいと思いました。上記の観点で、EnglishCentralを使ってみると、なるほどと思うことが多いのではないかと思います。「学び続けてもらう」ための工夫が随所にあるように思います。
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 松村さんは、「テクノロジーとコンテンツを大切にしている」と言っていました。テクノロジーの発達によって、「従来の技術では実現できなかった、学習理論が実践できるようになってきた」と言います。これも本当に大事なことだと思います。テクノロジーの側だけでもだめで、コンテンツがいかにこれまでの知見にあっているかということまで考えるのは非常に重要です。
 例えば、以下のようなEnglishCentralの機能が、「これまででは実現できなかった(あるいは、実現が難しかった)、英語の学習の形」なのではないかと思います。

  • 見る→学ぶ→話すが一体となったプロセス
  • 実際に人と話すGoLIVEもついていて、マンツーマンで好きな題材で話せる
  • 魅力的なコンテンツで、「見たい!」という好奇心から始まる
  • 聞き取れなければ、ゆっくり再生もできる
  • 動画の中での単語は、全部の意味を表示しない。文の中で使った意味を紹介する。
  • 飽きさせない、英語に抵抗感を与えない
  • 幅広いコンテンツを揃えて、文脈=使われている場面の中で、英語を覚えていく
  • いままでわからなくて調べた単語の学習履歴を一単語ずつ記録
  • 人によって苦手な発音記号が学習履歴からわかるようになっている。

 これらすべてが、学習者一人一人に対して行われる、というのはテクノロジーの賜物だと思います。そして、これを活用することで、先生方の授業はさらにパワーアップするのではないかと思います。

 現在、小学校の外国語学習で活用されている、「Hi, Friends!」のカリキュラムマップにも対応しているそうなので、まずは先生がご自身で使ってみて、教室でやってみせたりするのもいいのではないかと思いました。実際、今回前原小学校で活用されるようになったのも、最初に、校長先生である松田先生が「自分でやってみて」、いけるかも、と思ったことがきっかけだったそうです。
 ぜひ、先生の視点から、EnglishCentralを使ってみて、授業の中で使えそうかどうかを評価してみるといいと思います。

 No.4に続きます。
blog.ict-in-education.jp


(為田)