2017年9月15日に小金井市立前原小学校において、英語活動の授業公開が行われました。公開されたのは5年2組の授業で、Chromebook+EnglishCentralを活用する授業を見学してきました。5年2組の授業が終わった後で、場所を移して協議会を行いました。
今回は、協議会の中での、授業の中で使われていたEnglishCentralの松村弘典 代表によるプレゼンテーションをレポートしたいと思います。
EnglishCentralは、現在8年目。拠点は日本以外にも、アメリカ、フィリピン、韓国、トルコ、中国、ブラジルにあるとのこと。ユーザーは300万人。日本国内の大学でも、200校で導入されているそうです。
ja.englishcentral.com
松村さんは最初に英語の必要性を説明するときに、自身の経験やタイムマシン経営などを例に挙げて「情報格差」と呼ばれるものを説明していました。日本人は、日本語で情報収集をするため、世界からその分、どうして遅れてしまう、というものです。これは、本当にそのとおりだと思います。文献などにしてもそうですし、各種サービスにしても同様だと思います。
そうしたことも含め、英語によるコミュニケーション能力、英語による情報収集能力は、必ず子どもたちの将来に必要となるとのことから、英語は小学校でも必修化される流れにあります。
ですが、日本の子どもたちの英語学習環境はあまり恵まれたものではありません。その理由の第一は、「発話機会の絶対的な不足だ」と松村さんは言います。もちろん、学校の授業でも音読などの活動はありましたが、多くの人は口パクしていましたし、そもそもその発音が正しいかどうかのフィードバックを受けずに、授業が終わり、そのまま英語を話さないまま…という人が多いのだと思います。
そうした状況を変える必要がある、というのが、EnglishCentralの目的としてあるのだといいます。松村さんは、EnglishCentralを説明するときに、「コンセプトとしては、太鼓の達人+YouTube+ロゼッタストーンです」と言いました。この例えが、本当によかったと思いました。
「学習のYouTubeになりたい」という言葉は、本当にいいと思いました。上記の観点で、EnglishCentralを使ってみると、なるほどと思うことが多いのではないかと思います。「学び続けてもらう」ための工夫が随所にあるように思います。
松村さんは、「テクノロジーとコンテンツを大切にしている」と言っていました。テクノロジーの発達によって、「従来の技術では実現できなかった、学習理論が実践できるようになってきた」と言います。これも本当に大事なことだと思います。テクノロジーの側だけでもだめで、コンテンツがいかにこれまでの知見にあっているかということまで考えるのは非常に重要です。
例えば、以下のようなEnglishCentralの機能が、「これまででは実現できなかった(あるいは、実現が難しかった)、英語の学習の形」なのではないかと思います。
- 見る→学ぶ→話すが一体となったプロセス
- 実際に人と話すGoLIVEもついていて、マンツーマンで好きな題材で話せる
- 魅力的なコンテンツで、「見たい!」という好奇心から始まる
- 聞き取れなければ、ゆっくり再生もできる
- 動画の中での単語は、全部の意味を表示しない。文の中で使った意味を紹介する。
- 飽きさせない、英語に抵抗感を与えない
- 幅広いコンテンツを揃えて、文脈=使われている場面の中で、英語を覚えていく
- いままでわからなくて調べた単語の学習履歴を一単語ずつ記録
- 人によって苦手な発音記号が学習履歴からわかるようになっている。
これらすべてが、学習者一人一人に対して行われる、というのはテクノロジーの賜物だと思います。そして、これを活用することで、先生方の授業はさらにパワーアップするのではないかと思います。
現在、小学校の外国語学習で活用されている、「Hi, Friends!」のカリキュラムマップにも対応しているそうなので、まずは先生がご自身で使ってみて、教室でやってみせたりするのもいいのではないかと思いました。実際、今回前原小学校で活用されるようになったのも、最初に、校長先生である松田先生が「自分でやってみて」、いけるかも、と思ったことがきっかけだったそうです。
ぜひ、先生の視点から、EnglishCentralを使ってみて、授業の中で使えそうかどうかを評価してみるといいと思います。
No.4に続きます。
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(為田)