西武学園文理小学校の小学校6年生は、卒業研究に取り組んでいます。卒業研究では、1年間かけてそれぞれが設定したテーマをリサーチし、最後に全員がプレゼンテーションを行います。
毎年、2学期後半から3学期にかけて、中間発表という形でお手伝いをさせていただいています。中間発表は、最後のプレゼンテーションを前に、プレゼンテーションの準備が、ただのスライドショーの制作にならないように、「きちんと説得力があるか」「データなどが揃っているか」などを、“一人の社会人”の目でチェックすることが目的です。
さまざまな学校で、調べ学習からスライドを制作してプレゼンテーションという流れのアクティビティはしていますが、実際にプレゼンテーションが「どれくらい論理性があるか」「どれくらい説得力があるか」という観点でブラッシュアップを行っている学校は、小学校から高校くらいまで広げてみても、そう多くないと思っています。
それは、一人一人にコメントを返し、それぞれにリサーチを深めさせたりするのは、先生方だけでは大変だから、というのも一因だと思います。そこで、先生方の負担を軽減するために、外部スタッフとして入らせていただいているという図式です。外部スタッフが多く入れば入るほど、一人一人に対応してコメントを出すことが頻繁にできるようになります。ところが、学校に外部スタッフを呼ぶためには、「学校までの距離」が問題になります。毎回呼ぶということもなかなか実現はできませんでした。
そこで、今年度、西武学園文理小学校では、Skypeを通じて中間発表と講評コメントに挑戦することとしました。Skypeでビデオ通話をして、教室にはコメントをする人を表示して授業を行いました。ときに厳しいコメントを言うこともあるので、顔が見える方がよいと思います。コメントをする側も、教室でプレゼンをしている児童の様子が見えるので、インタラクティブにやりとりができます。
今年度、あと数回実践をしてみて、問題がなければ来年度は教室を2つ、3つと増やして、Skypeの回線を増やしたり、少人数のグループディスカッションを入れたり、ということも考えていきたいと思っています。