教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

常翔学園中学校・高等学校 授業訪問レポート No.2(2016年6月24日)

 2016年6月24日に、常翔学園中学校・高等学校を訪問し、授業を見学させていただきました。ICTを活用している授業の様子をレポートしていきたいと思います。

 第2回は、高校2年生の政治経済の授業をレポートします。学級数の都合で、こちらの授業は特別な設備のある教室で行われているそうで、プロジェクターは天井に据え付けられていますし、スクリーンも電動でホワイトボードの前に降りてくるようになっていました。
 担当されていた先生は、最初のトピックとして来月に迫った参議院選挙の選挙ポスターを素材にして、話をされていました。こうした最新の社会情勢やニュースなどを取り入れながら授業をするのは、政治経済など社会科学の授業では特に有効ではないかなと思います。


 その後の授業では、配布したプリントをベースにして、そこに語句を書き込み、説明を加えていくというものでした。担当された先生が、非常にトークがおもしろい先生で、それぞれの語句について適切に話をふくらませていきます。また、クラスに意見を活発に言う生徒が何人かいたため、先生と生徒の間でのやりとりが多い授業展開になっていました。


 授業の後半で、「社会権」の話になったところで、ある有名ドラマの最終シーンをクラスで見て、そこから授業の説明に入っていったのですが、この部分を事前に見てくるように指示をして、そのうえでクラスではもっとディスカッションをしているところを聞きたいな、と思いました。
 そう感じた理由は大きく2つあります。一つは、クラス内での先生と生徒たちのやりとりがおもしろかったからです。もう一つは、逆に意見を言う生徒たちがいるからこそ、「私はいいや」と思っている生徒たちが、いるのではないかな?と思ったからです。
 発言をするのは苦手だけど、何かを表現したい人にとっては、反転授業にしてしっかり発言のための準備をして授業に臨んでもらう、というのもひとつの解決策だと思います。または、「発言をする」方法を、手を挙げて言葉で発言する以外に、クラウド上でメッセージを書き込む、というのをOKにすることも考えられると思います。

 ICTを教室に導入することで、今のこの政治経済のやりとりが活発な授業が、より活発に、より多くの生徒を巻き込んで行われるのではないかと思うと、非常に楽しみです。


 No.3に続きます。
blog.ict-in-education.jp


(為田)