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静岡県立掛川西高等学校 授業レポート No.2(2021年7月15日)

 2021年7月15日に、静岡県立掛川西高等学校を訪問し、牧野友裕 先生が担当する3年生の日本史の授業を参観させていただきました。

 授業の最初では、前回の授業を生徒たちにふりかえってもらう機会がありました。牧野先生はふりかえりの対象である内容を黒板に投映しながら、生徒が発表する内容に合わせてスライドをクリックし、それをヒントに生徒がふりかえりをできるようになっていました。
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 ふりかえりが終わると、今回の授業のテーマである「昭和初期ってどんな時代?」へと進んでいきます。
 牧野先生が配布したプリントには「グループA 昭和初期の経済」と「グループB 昭和初期の外交」と書かれていました。クラス全体を6つのグループに分けて、机を動かして一緒に座ってもらい、テーマAとテーマBのそれぞれに3グループずつを割り当てました。

 6グループすべてにiPad 1台とマルチイヤホンスプリッター 1つと人数分のイヤホンが配られます。配布されたマルチイヤホンスプリッターをiPadのイヤホンジャックに接続して、そこにイヤホンをそれぞれの生徒がつなぐと、同じ音源を全員で同時に聴くことができるようになります。
 プリントにはテーマAとテーマBそれぞれのためのQRコードが印刷されています。割り当てられたテーマの方のQRコードiPadで読み取って、それぞれの動画をグループみんなで見て、プリントに内容をまとめていきます。自分でメモを書いてまとめるグループもあり、グループで話し合いながら一緒にまとめるグループもあります。グループで一緒に同じ動画を見るからこそ、「産業の合理化って2回くらい言ってたから大事なのかな」「産業の合理化ってどういうこと?」というようなやりとりも起こっていました。
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 また、動画の内容をプリントにまとめるときに、動画をもう一度見直す作業をグループみんなで一緒にできるのもいいと思いました。グループのメンバーが「どういうところを気にしてもう一度見るのか」「どこをキーワードとして捉えるか」などを一緒に体験することで、学び方の幅も広がる生徒もいるのではないかと思いました。
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 それぞれのグループでまとめた内容を、最後にペアワークをして情報を共有することで、自分が割り当てられていなかったテーマについても知ることができ、「グループA 昭和初期の経済」と「グループB 昭和初期の外交」の両方の面から、「昭和初期ってどんな時代?」をプリントにまとめられるようになっていました。

 人の学び方を知り、学ぶことができる活動が、一人1台の端末がなくとも、実践できる様子を見せていただけたように思います。

 No.3に続きます。
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(為田)