プログラミング教育について、教育委員会や学校で質問を受けることが多くなってきました。そのなかで、グリコのお菓子が現物で必要であるがために、今までやったことがなかったグリコードをやってみることにしました。
グリコードでは、ビスコ・アーモンドピーク・ポッキーを決まったルールで並べることで、ハグハグというキャラクターを動かしていきます。小学校で授業でも活用をされていますが、みんなでお菓子をあけて、ワイワイ言いながらグリコードを使うのは、楽しそうです。
実際にやってみた
iPadにグリコードのアプリ(無料)をインストールして、3種類のお菓子を用意してスタートします。最初は、ビスコ・アーモンドピーク・ポッキーのそれぞれを使っての課題が順番に出題されます。最初は、ビスコを選びます。ビスコは、命令→動作という簡単な対応を覚えるというのが学習目標になっているように思います。
iPadのカメラを使って、並べたビスコにカメラを向けると、左側のところにコマンドが読み取られていきます。自分の思っているコマンドがきちんと読み取れたら、画面右下の白いボタン(シャッターボタンかな?)をタップして確定させます。コマンドを確定させたら、左下にあるパズルをクリックして、思い通りにハグハグ(キャラクター)が動くかどうかを見ていきます。アニメーションがすごく動きます。もうちょっと早く結果が見たい、と思ってしまいますが、子どもたちはグループで見せ合ったりして楽しいかもしれません。
ビスコ→アーモンドピーク→ポッキーの順に難しくなっていくように思います。途中、「シーケンス」「場合分け」「ループ」などの用語も学べるようになっています。ポッキーを使っての繰り返しなどは画面上で説明が表示されます。
実際に並べてみるとこんな感じになります。個人的には、ポッキーのチョコがないところを使って方向を識別しているのがおもしろいな、と思いました。
画面左側のコマンドが表示されるところは、タップするとコマンドラインが表示されます。「こうして動いているのか」ということがわかるようになっています。
なかなか難しいところもあります。ビスコ・アーモンドピーク・ポッキーのそれぞれでパズルを解き終わったら、それらを混ぜて使うパズルが出題されるようになります。
気になったこと
ざっとやってみて思ったのは、お菓子を使って親しみやすくはあるが、これはプログラミングの学習になるのだろうか?という点です。「おてほんどおりにならべる」というのが強すぎて、プログラミングというよりは、パターンマッチングをしているように思えてしまいます。最後には自由に動かすことができるようになりますが、お手本に頼ってそこまで行った児童は、はたして自由にプログラムを組めるのか、ちょっと難しくないかな、と思いました。
また、意外とお菓子を並べるのにはスペースが必要だなとも感じました。たくさんコマンドを使おうと思うと、ずらずらとお菓子を並べなくてはなりません(それはそれで少し楽しいですが)
まとめ
実物をプログラミングのブロックとして使うというのは、なかなか大変だと感じました。パズルが変わるごとに、一度使ったポッキーを元に戻したり、みたいなシーンもあったりします。手に触れられるもの(タンジブルなもの)を使ってプログラミングをするのはいいかな、と思いますが、やはり食べ物でするのはちょっと大変ではないかな、と思いました。
総務省の「若年層に対するプログラミング教育の普及推進」事業に選定されています。プログラミング教育として、どんな学習目標を持った授業がされたのか、見てみたいと思いました。
(為田)