為田がスクール・アクティベーションの役割を担っている、すべての年齢のクリエイターが使える安全なグローバルコミュニティ「Creatubbles(クリエイタブルズ)」についてのエントリーです。
新宿区立落合第六小学校では、タブレットなどのICT機器を使ってさまざまな教育実践を行っています。何度か訪問させていただいているなかで、 “染め物”の授業を、庖丁由利子 副校長先生が実践されている話を伺えました。
竹村郷 校長先生と、庖丁先生とお話をしていくなかで、実は新宿区落合のあたりは伝統的に染め物をしてきている地域なのだということを聞きました。
昭和30年代まで妙正寺川と神田川沿いには300軒を超す染色関連業が集まり、京都・金沢と並ぶ三大産地でした。
現在も落合・中井には染工房が点在しています。その中の一つ「二葉苑」では作品が公開され、イベント「染の小道」では川面に反物を張る「川のギャラリー」という催しも行われています。区内にはほかに、工房を開放し、展示や染め体験のできる東京染めものがたり博物館(富田染工芸)などもあります。
区内の染色業は、大正時代中頃、神田川の清流に目をつけた染色業者が高田馬場に工場を新設、さらにそこを独立した職人が川をさかのぼった場所に染工場を開くことによって発展してきました。「染めの王国 新宿」として、代々の技と歴史を絶やさずに今日に至っています。
参考:染のまち 落合
庖丁先生は、「色は世界の共通言語です」と言います。たしかに、日本では山吹色、茜色、みたいにいろいろな名前の色があります。そうしたさまざまな色を児童が作っていくという実践は非常におもしろいと思いました。
また、庖丁先生は「作ろうと思っている色も、同じようで同じ色はない」とおっしゃっていました。さまざまな色を発信することで、図工や美術の授業あるいは日本の伝統工芸について学ぶ授業などでも、使えるのではないかと思い、クリエイタブルズを使っての実践を提案させていただきました。
結果、庖丁先生はたくさんの色をクリエイタブルズにアップしてくださいました。表示を縮小して、たくさんの色が見えるようにしてみました。草色、藤色、牡丹色、菫色などなど、たくさんの色をみることができます。また、同じ色の名前であっても、同じ色ではないという庖丁先生の言葉も非常にこうしてみると実感ができます。
ギャラリーのページを見ると、「和の色」というテーマで、2年生、4年生、6年生がそれぞれに作った色がギャラリーごとにまとめられています。それぞれの学年で作られた色を見ることができます。
染め物は、日本だけでなく東南アジアなどでも行われていますし、世界各国のクリエイタブルズのユーザーと色をテーマに交流ができるというのも非常におもしろいのではないかと思っています。
こうした学校で行われている実践を世界へ広げて、世界各地の子どもたちや先生たち、学校と結びつけていくことで、授業の幅を広げることができるのも、ICTのもつ効果の一つだと思っています。
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何か一緒に授業をしてみたいという先生がいらっしゃれば、ご紹介などもできますので、ぜひご連絡をいただければと思います。
(為田)