2018年2月1日に、越谷市立大袋小学校にて開催された、授業エキスパートを目指す授業研究会に参加させていただきました。清水 先生の6年1組の公開授業後に行われた、研究協議会も参加させていただきました。
今回の「電気と私たちの生活」の単元の中に、清水先生は計画として、本時のアンプラグドの授業と、その後に2時間のプログラミングキットを使って信号機を作る授業を入れていました。つまり、「電気と私たちの生活」の単元に3時間のプログラミング授業を入れていることになります。単元全体の構成としては本来12時間の単元ですので、学習内容を9時間にぐっと詰めて、この3時間分のプログラミングをする時間を作り出したそうです。
単純に、座学であった3時間分をぐっと詰めたことが、単元理解にどう反映するのかは、テストなどをしてみないとわからないと思います。清水先生の意図としては、実際にセンサーがどう動いているかを考えるという体験することで、長期的な知識の定着や、関心や意欲などを育てるということはできるのではないかということだと思います。
大袋小学校の横崎校長先生とも少しお話をさせていただいたのですが、校長先生もこうしたねらいについて理解をされていました。授業を担当される先生が、通常12時間のところをぐっと詰めて、プログラミングを教える時間を作り出し、そのことで考えられるメリット「長期的な知識定着や関心意欲の育成の可能性」とデメリット「座学の時間短縮による学力低下の可能性」をきちんと管理職に相談し、理解してもらっているというのが、簡単なように見えて素晴らしいと思いました。
協議会に参加されていた先生方の感想の中から、良かった点と改善点をいくつかメモとして残しておきます。
良かった点
- 教材教具がすごくよかった。映像にあった正解判定も、試行錯誤を感覚的にできてよかった。
- プログラミングブロックもよくまとまっていてよかった。
- 簡単なプログラミングからレベルを上げていく、スモールステップになっていて、思考しやすかったと思う。
- ふりかえりの時間が多くとってあってよかった。
ブロックを使ってグループで話し合いをしている様子を見学されている先生方も見ることができて、それを好意的に評価しているようでした。また、最後にふりかえりをする時間があったことも、評価されていました。
改善点
- 教材教具がよかったぶん、「なぜ?」を深めたらよかった。すべての子どもたちが理解できていたかがわからなかった。「正解」「不正解」というだけでなく、子ども同士で意見を言い合うことができれば、より深められてよかったと思う。
- 間違えた答えについて、実際にプログラミングを動かしてみたらいいと思う。
- ただ交流すると、「あっている」「間違っている」で終わってしまう。間違った例を出して考えさせる、というふうになっているといい。
- ワークシートの記録を残した方がいい?
- ブロックの枠だけをワークシートに書いておいて、中を子どもたちに書いてもらった方がいい?
プログラミングについては、「考える」→「プログラムを作る」→「動かしてみる」→「動かない」→「また考える」→「プログラムを直す」→「動かしてみる」→…というふうにサイクルが回っていくことが大切なので、たしかに、今回のようなアンプラグドでの実践で、間違えたときにどんなふうなフィードバックを与えるのか、というのは大切だと思いました。
算数の練習問題のときであれば、間違えた例を使って指導をすることも多いかと思います。そのときと同じように、もう少し時間をとってしっかり間違えたときに「なぜか?」を考えると、短期的には時間がかかってしまうように思えるかもしれませんが、総時間的には早いのではないかと思いました。
こうして多くの先生方が、アンプラグドでのプログラミング授業、しかもそれが理科の授業内で行われていることを体感することができたのはよかったと思います。今回参加された先生方が、また自校へ持ち帰って、自分たちでもやってみようと思ってくれるといいと思いました。
(為田)