2019年3月4日に、渋谷ヒカリエで行われたイベント、「学校」はいかにアップデートされるべきか、に参加してきました。登壇は、小幡和輝さん、駒崎弘樹さん、藤川大祐先生、若新雄純さん、宇野常寛さん。司会は得能絵理子さんでした。
当日の入場者の1/3くらいが、学校の先生や宿の先生など、教育機関で教えている人だったそうです。当日、会場からTwitterで発信していた内容を再構成します。
いま学校現場に必要なものは何か?
最初のテーマは、「いま学校現場に必要なものは何か?」。みんな手元にキーワード(あるいは文章)を書いて、それを見せながらトークしていく形式でした。
若新さんが書いたのは、「先生同士のケンカ」。社会に出るといろんな人が入る。先生同士で意見が食い違うことがないように、学校内で調整していただろうと思う。そうなると、喧嘩しなくていいように確実なものだけがなされていたのではないか。 #shibuya2nd
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年3月4日
藤川先生が書いたのは、「異質原理」。若新さんは先生の多様さを言いましたが、子どもたちの多様さを大事にする方がいい。そのためには、先生たちも多様性を認めるべき。 #shibuya2nd
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年3月4日
若新さんと藤川先生が隣の席だったのですが、シンクロした意見がたくさんでていました。お互いで言葉を補い合っている、というか。
小幡さんは、「学校以外にも、いろいろと選択肢が広がっている。学校現場にいる人たちが、その自覚を持つべき」。 #shibuya2nd
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年3月4日
小幡さんのこの、「学校以外にも選択肢がある」ことをもっと知るべき、というのは、先生も保護者も学習者である児童生徒もみんな、かな、と思いながら聴きました。そして、そのいろいろな選択肢をライバル(あるいは敵)とみるか、ツールと見るかによって、学校のやれることはいろいろと変わってきそうだと思います。仕事で関わっている教育ICTやEdTechはまさにこのあたりに関わってくる話です。
学校での勉強があっている子もいるし、学校での勉強があっていない子もいる。学び方を自由に選べるようになればいいな、とは思う。学びの場としてだけでなく、いろんな目的のコミュニティを学校以外(オンラインでもSNSでもいい)にも持たせてあげたい。 #shibuya2nd
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年3月4日
駒崎さんが書いたのは、「(教育と)福祉(の融合)」。牛乳給食を無理やり飲ませるなんていうのは、福祉を学んでいれば絶対やらない。教育と福祉の間に、崖があると思う。 #shibuya2nd
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年3月4日
駒崎さんから出た、教育と福祉の違い、というのは今まで考えたことがなく、非常に大きな気付きになりました。
宇野さんが書いたのは、「さくらももこイデオロギーの打破」。ちびまる子ちゃんには、スクールカースト最上位と最下位がいる。上になびき、浮かないようにして、下に石を投げるような雰囲気が学校にはないか? #shibuya2nd
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年3月4日
与えられた箱(クラス)の中で適応するのではなく、自分にあった箱を作ることができるように子どもを育てるべき。「学校から子どもたちを解放する」ことが必要。行かなくていい人間は学校に行かなくてもいい。そうすると公教育はマイノリティに基準をおける&福祉にも近づく。(宇野さん) #shibuya2nd
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年3月4日
そして最後に、宇野さんの意見。クラスをずっと固定するというのは、学校が合う子はいいけれど、そうでない子には本当につらい仕組みだな、と思っています。学校に一気に流動性をもたせるのがいいかは僕はまだ判断できないですが、学校以外の居場所を子どもたちに持ってもらうこと(と、学校には別に行かなくてもいいじゃない?という前提)によって、このあたりはなんとかできないかな、と考えています。だから、N高の活躍は非常に重要だと考えています。
(学校をアップデートするために)いま学校教育の外に必要なものはなにか?
休憩時間を挟んで、後半のテーマは、「(学校をアップデートするために)いま学校教育の外に必要なものはなにか?」でした。
若新さんが書いたのは、「大人のトモダチ」。普段関わる大人は、親か先生。遊び相手としての大人は、もっとおもしろい。現状、学校帰りにお店によるとか、仕事場に行くとか、推奨されていない。直接の関係がない大人との関係を持てない。 #shibuya2nd
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年3月4日
藤川先生が書いたのは、「創造的な実践」。10年くらい、西千葉子ども起業塾をやっている。 https://t.co/LurclqxEqz #shibuya2nd
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年3月4日
このテーマでも、若新さんと藤川先生の言葉は繋がっていました。大人のトモダチ、リアルな社会との繋がり、ナナメの関係、そういうキーワードが頭に浮かびます。
駒崎さんが書いたのは「働きかけ」。おかしいルールについて学校に問い合わせると、意外と変わる。「そういうもんだと思ってた」とみんなが思っている。ルールは人が作ったものだから変えられるもの、疑問を差し挟めるもの、とみんなが思っていない。 #shibuya2nd
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年3月4日
これは、PTA活動をやっていて感じていたことでもあります。なんでもかんでも学校に問い合わせると大変なのですが、きちんとロジックがあるならば、学校にそれを持ち込める回路がある方が当然いいと思っています。その回路としてPTAが機能するようになればいいのにな、とは思います。ちょっと多くのPTAは感情が強く勝ちすぎていて、そのバランスをとれる人材がPTA活動をやっていれば、という前提はありますが…。駒崎さんの、「学校に電話かけたんすよ」っていうエピソードを聴いていると、駒崎さんはこのバランスのとり方が非常に上手そうでした。
「学校以外の学びはいろいろあるが、お金がかかるのが現状。そこがハードルになる。」と小幡さん。 #shibuya2nd
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年3月4日
宇野さんが書いたのは、「学校に期待したくなる大人が減る」。一回、学校の役割を社会から縮減するしかないと思っている。読み書き算盤だけ教えればいい。学校は、ダメな親に当たったときの、人生キャンセル装置。学校制度があれば、人生を立て直せる。その最低限の制度でいい。 #shibuya2nd
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年3月4日
この学校が「ダメな親に当たったときの、人生キャンセル装置」というのは大賛成です。だからこそ、きちんと学力なり生きる力なりを身につけられる場所であってほしいと思っています。
読み書き算盤以外は実社会から学べばいい。そのためのリソースになるのが、「自由で安全なインターネット」。今のインターネットだと、説得力がないかもしれないが。実名登録にすれば、若新さんが言うような、大人のトモダチができるかもしれない。 #shibuya2nd
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年3月4日
宇野さんの「学校は、プラスを作るところではなくて、マイナスを0にするところという、ポジティブな諦めが必要」という考え方は、公教育がもつべき大切な役割だと思います。(1校1校レベルの話でなく、公教育システム全体として) #shibuya2nd
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) 2019年3月4日
まとめ
あっという間に時間がたちました。いろいろなことを考えるきっかけになりました。話に出てきたことの多くは、ICTやEdTechを使うことでなんとかできることではないかと思いましたし、C.M.ライゲルース・J.R.カノップ『情報時代の学校をデザインする 学習者中心の教育に変える6つのアイデア』と繋がるのではないかと思いました。
最後のステージからの記念撮影、ちゃんと写ってる~(笑)うれしいな。
#shibuya2nd トークショー@渋谷ヒカリエ、ご参加いただいた皆さまありがとうございました!
— PLANETS/第二次惑星開発委員会 (@PLANETS_10) 2019年3月4日
小幡和輝×駒崎弘樹×藤川大祐×若新雄純×宇野常寛×司会・得能絵理子
「学校」はいかにアップデートされるべきかhttps://t.co/JJ9s2Lol1U pic.twitter.com/u73yS8aShe
小幡さんのまとめの中でも、Twitterを拾ってもらいました。
また編集すると思いますが、サクッと感想とかをまとめました!めちゃくちゃ楽しかったのでこの熱量のうちに書きたくて(笑)
— 小幡 和輝 / Kazuki Obata (@nagomiobata) 2019年3月4日
参加者のツイートいくつか埋め込んでます。
めちゃくちゃ楽しかったなぁ。第2弾ぜひとも!@wakusei2nd @wakashin @Hiroki_Komazaki #shibuya2ndhttps://t.co/VuhY5DSW2R
学校とはどういう機能を持つべきところなのか。どの機能は今でもOKで、どの機能は今では役に立っていないのか、そういうことをもう一度見直していくべきなのかな、と感じています。学校をFuture-Readyな場所にアップデートするためには、それが必要だと感じました。第2弾もぜひやってほしいです。
(為田)