2021年11月18日~21日までの4日間、Edvation x Summit 2021 Onlineが開催されました。参加できなかった学校の先生方が少しでもエッセンスを知れたらいいなと思い、僕が参加したセッションについては、聴きながらメモをまとめたTwitterを公開していこうと思います。
www.edvationxsummit.jp
セッション「公教育改革に向けたPTAと地方議員のアクションミーティング」
「公教育改革に向けたPTAと地方議員のアクションミーティング」を視聴しました。学校が地域のなかで存在しているものであり、地域コミュニティのコアになれる存在であることを考えると、地方議員の皆さんの存在は重要だと思っています。
登壇されたのは、高橋元気さん(東京都中央区議会)、鈴木けんぽう さん(渋谷区議会)、杉山幹人さん(大阪市会議員 教育こども委員長)、内山真吾さん(東京都議会議員(昭島市選出)/文教委員会理事)、安藤大作さん(元日本PTA全国協議会副会長)でした。
まずは、それぞれの自治体でどのようにICTが活用されているのかについてのコメントがありました。
「東京都中央区では、一人1台のSurface Go Toを整備。活用は理科を中心にドリルパークを使って基礎を身につけるようにし、学力テストでは一定の成果が出た。STEAM教育や個別最適化された学びはこれからだが、教育委員会の方針、裁量次第のところがある。」(高橋さん) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 21, 2021
「渋谷区は4年前に全児童生徒教員にタブレット端末Surface Go Toが配布された。コロナ禍の前から使っていたので、課題出しをすることができた。学校によっては登校・オンラインを選べるところもあった。慣れてきたクラスもある、という段階。」(鈴木さん) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 21, 2021
「東京都は国のGIGAスクール構想のなかで、東京都スマートプロジェクトを進めている。都内の小中学校では概ね一人1台の配備ができたところ。都立高校については来年度から一人1台個人購入の方針。補助をどうつけていくかを検討中。都内での自治体格差をどう埋めていくかが課題」(内山さん) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 21, 2021
「大阪市内では地区ごとに導入機種も違う。接続方式もローカルブレイクアウトにした。まだまだどう使うかのところまでは進んでいない状況。」(杉山さん) #ES2021
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同じように一人1台の情報端末が配備されたとは言え、自治体ごとに導入している機器やコンテンツも違うし、地域性なども大きく影響があるところだと思います。地域間格差について、またその格差をどう埋めていくのかということについて話が進んでいきました。
「公教育のなかで、義務教育においてこんなに格差があっていいのか?先生方による格差、学校間での格差、自治体の格差が存在している。それが解決しても、通信環境などの問題もあるし、使う機会が増えれば問題が出てくる可能性もある。」(安藤さん) #ES2021
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「問題を解決して進んでいる自治体と、そもそも活用しないことで問題を発生させない自治体がある。自治体間格差があるまま、県立高校入試のときに、保護者にとっては格差が問題になる可能性はある。問題の根本はどこまでいっても、現場次第になってしまう、ということだと思う」(安藤さん) #ES2021
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「他の自治体がやっていることを知らない、ということもある。自治体間の格差があるなかで、東京都ができる支援は?」(高橋さん)→「2つの取組みを東京都はしています。1.ICT支援員派遣への補助 2.活用事例集を作り各自治体へ発信」(内山さん) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 21, 2021
「一足飛びに目指しすぎだと思う。渋谷区でも3~4年たってようやく慣れてきた。今年度導入されて、急にやれ、といっても難しい。ICTはコミュニケーションを円滑にする。コロナ禍でも役立った。まず最初にそこを使って、その延長線上で、意見交換で使ったりする。ベースが大事」(鈴木さん) #ES2021
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「東京都内には本当にいろいろな自治体がある。だからこそ、一気には進められない面もある。」(内山さん) #ES2021
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「一足飛びをしていないから問題になっていると思っている。一斉授業を動画に変えてしまうなどのパラダイムシフトを起こすのを、政治・行政が覚悟をもって進められていない、ということでは?」(杉山さん) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 21, 2021
「政治家の覚悟の裏には有権者の声がある。新しい教育を浸透させていくには、政治家学校だけでなく、保護者・子どもも含めて進めなくてはいけない。が、保護者・子どもは取り残されている感じはある。格差を解消するのには保護者の声が大事だが、まだスタートラインに立ててない」(安藤さん) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 21, 2021
「PTAは4階層:各校にある単位PTA→区市町村PTA→都道府県PTA(隣の市の状況も知れるようになる)→日本PTA(文部科学省とのやりとりもある)。保護者の声として力をもてるのに、情報がないから何を言っていいかわかっていないのが現状」(安藤さん) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 21, 2021
教育の情報化を推し進めていくためには、学校内・教育委員会内だけの努力ではなく、外部から、保護者からの動きも重要だと思います。保護者に向けて情報を出していくことも、もっと進めていく必要があると感じました。
最後に、高橋さんからの「教育は票にならない、と言われます。そういったなかで、地方議員に求められていることを教えて下さい」というコメントに応えて、地方議員にできることについてそれぞれ回答を聴きました。
「課題を定義して、行政の言葉に翻訳する、ということ。どういうことを求めているのか、というのをすくい上げて形にしていくことができると思う」(鈴木さん) #ES2021
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「東京都は広域行政なので、先進的なところの支援、全体の平均値を上げる、立ち遅れているところの底上げ、ということをしていく」(内山さん) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 21, 2021
「地方議員のやることは、問題を切り分けていくこと。地方でできることと、国会議員にお願いするところと、分けて問題を切り分けていくこと」(杉山さん) #ES2021
— 為田裕行 (@Hiroyuki_Tameda) November 21, 2021
学校が地域のなかでさまざまな役割を果たしていることを考えると、地方議員の方やPTAの方と一緒にムーブメントを作っていくということも可能だと思っています。何ができるか、引き続き考えていくためにたくさんのヒントを聴けたセッションでした。
4日間にわたったEdvation x Summit 2021 Online、僕が聴いたセッションはこれで終了です。全部を追いかけられたわけではありませんが、誰かの役に立てていれば幸いです。
(為田)