安田菜津紀『故郷の味は海をこえて 「難民」として日本に生きる』を読みました。TBSラジオ「Session-22」で紹介されていて興味をもった本です。
日本で難民として生きている人たちにとって大切な故郷の味を紹介してくれる本です。また、それとともに、「難民」についてさまざまなことを知るきっかけにもなります。2018年に日本で難民申請をしたのは10,493人。それに対して、同じ年に難民認定を受けたのは、わずか42人です。社会科の授業などで知ることは、あくまで制度のことであり、その制度が人にどう関わっているのか、ということについて知ることができる教材にもなるのではないかと思いました。
「海をこえてきた故郷の味」として紹介されているのは…
- シリア「カルダモンの香り広がる コーヒー」
- ミャンマー「お茶の葉の漬物をサラダに ラペットゥ」
- ロヒンギャ「ナマズのだしがきいた麺料理 モヒンガ」
- ネパール「豆のカレーと色とりどりのおかず ダルバート」
- バングラデシュ「スパイスたっぷり炊きこみご飯 ビリヤニ」
- カメルーン「トマトとニンニクで煮こんだ オクラスープ」
- カンボジア「コショウのきいた豚の角煮 コーサイッチュルーク」
これらの料理も、画像検索をしてみると写真を見ることができて、おもしろいです。料理を切り口に、その国のことを知ることもひとつのルートだと思います。
「作ってみた」動画もありました。翻訳サイトなどを使えば、さらにいろいろなレシピ動画なども出てくるかもしれません。
www.youtube.com
この本で紹介されている方々の故郷を、Google Earthなどで見ることもできます。ストリートビューなどで見てみると、そこにはそれぞれに生活があることを感じられるかもしれません。
先生方が授業の中に組み込んで教材として使うことで、日本の難民支援について考えてみる機会になればいいなと思いました。
(為田)