2022年12月13日に湘南学園小学校を訪問し、6年生の総合的な学習の時間の授業「世界を感じ、未来を創る!!」を参観させていただきました。
新潟県佐渡市立真野小学校の5年生(37名)、広島県大崎上島町立木江小学校の6年生(5名)、広島県大崎上島町立東野小学校の6年生(9名)、神奈川県葉山町立葉山小学校の6年生(32名)の教室をZoomで繋いだ授業でした。すべての学校が海の近くにあり、授業のテーマとして「地球環境問題」を設定しています。
湘南学園小学校では、6年生の3クラス(るり組、ひすい組、すいしょう組)がオープンスペースに集まって、大型モニターで表示されたZoomの画面を見ながら授業に参加しました。
湘南学園小学校の子どもたち3人が授業の進行を担当し、「日本各地がZoomで繋がるのはすごいことです」と言って授業をスタートしました。こうしてZoomで日本各地を繋いで、その土地に暮らしている同年代の子と話す機会をもつのは素晴らしいと思います。
きっかけは先生方同士の繋がりで、「公立・私立という“学校”の枠組みを越えて、交流していく新しい学校のあり方を模索したい」と思って授業を作った、と湘南学園小学校の中許竜宏 先生から伺いました。先生方同士の繋がりから始まって、子どもたち同士が対話する授業を目指したものになっていました。
それぞれの小学校が順番にプレゼンテーションをしていきます。学校がどこにあるのか地図上で紹介したり、地域の特徴や特産品を紹介したりしていきました。プレゼンテーションの仕方も、Zoomで画面共有をしたり、紙芝居形式にしてカメラに向かって制作したものを見せたり、学校によっていろいろな方法がありました。
テーマである「地球環境問題」については、それぞれの学校の近くにある海の様子について紹介されていました。海岸の汚れ、漂着ゴミ、地域での環境保護の取り組みなどについて、写真を見せながら紹介されました。
実際に自分たちの学校のそばの海がどんなふうなのかの写真を見せ合うことができるのも、この授業の良さだと思いました。自分たちにとっては日常の風景でも、違う地域の小学生にとっては見たことがない風景になります。こうした交流授業の良さだと思います。
子どもたちは、プレゼンテーションを聴きながらプリントにメモをとっていました。ただ聴いているだけではなく、どんなところがポイントなのか、あとで質問をしてみようと思うことなども書いていきます。
すべての学校のプレゼンテーションが終わった後、中許先生が「日本中の小学校の、同じ世代の子たちが集まって、海の環境について話し合うのは素晴らしいことです」と言い、意見交流・質疑応答の時間に移りました。
他の学校のプレゼンテーションを見て、「みんな海岸のごみについての問題があったので、改善できたらと思いました」というような感想の共有もありました。
他の学校のプレゼンテーションの方法について知ることができるのも、この授業の良差だったと思います。「すごくわかりやすくて、とてもよかったと思います」「スライドにまとめてあるとわかりやすかったです」という感想もありました。
「湘南学園のプレゼンが、わかりやすかったです。どうやったらそんなにプレゼンが上手になるんですか?」と質問がされたときには、湘南学園小学校のプレゼンテーションをした子たちが、「練習する」「自信をもってやる」「何回も練習する」というふうに答えていました。先生がポイントを伝えるのではなく、こうして子ども同士で高め合いができるのも、交流授業の良さだと思いました。
湘南学園の6年生は、こうしてオンラインで遠隔地と繋いでの授業は今日が3回目だったそうで、以前にはウクライナと繋いで現地の様子を聴くという授業も実施したそうです。
Zoomを使うことで、学校を社会と直接繋いで、子どもたちに考えるきっかけをより多く提供する授業づくりに取り組んでいると感じました。
(為田)