2020年8月19日に、武蔵野大学教育学部の荒木貴之 先生(武蔵野大学教授であり、ドルトン東京学園中等部・高等部校長)が担当されている「21世紀型スキルの発展」という夏期集中授業にゲストティーチャーとして登壇させていただきました。オンラインでの開催でした。
僕は戸田市教育委員会の21世紀型スキル育成アドバイザーも務めさせていただいているので、いただいたテーマは「21世紀型スキルとは何か」だったのですが、内容として21世紀型スキルが策定された背景や意義などの紹介と共に、21世紀型スキルが育成されている授業や取り組みの紹介をしました。
21世紀型スキルそのものについて研究しているわけではないですし、まずは「ATC21s(21世紀型スキル効果測定プロジェクト)」のサイトを紹介し、21世紀型スキルとして定められている10のスキルについて紹介しました。
www.atc21s.org
動画を見てもわかるのは、デジタルがすごくフィーチャーされていることです。ポイントとして、策定されている意義であるとともに、学校にどうして入れていくかを考える必要があるポイントとして、以下の2点を紹介しました。
- 情報時代(information-age society)
- 読み書きリテラシーもここに含まれる?(明記はされていないが…)
- すべてをデジタルにするわけではない
- 正解のあり方が変わってきている時代
- 「創造性とイノベーション」が最初にある
- 協調的な対話能力の重視がされている(コミュニケーションとコラボレーションが入っている)
こうしたことを考えるとき、学校はどのようであるべきか、ということを、教育学部の3年生の皆さんに考えてもらおうと思いました。
このブログでも紹介をしている学校のなかから、21世紀型スキルが身につきそうだと僕が感じている授業を紹介していきました。そして、授業の最後には、「既存の授業の中で、自分が関われるところで、できることは何がありますか?」と問いを出して、Zoomのチャットに書き込んでもらいました。
受講している学生さんが目指している校種も教科もバラバラだったので、さまざまなアイデアがチャットに並び、最後にそれを共有することができました。
21世紀型スキルそのものを授業にするのも難しいですし、それらを評価することも難しい。とはいえ、身につけてもらうためにどうすればいいか、ということを考える機会になってくれればいいと思いました。正解はひとつではありませんし、授業に参加してくれた学生さんたちがそれぞれに自分ごととして受け取って、次の行動につながってくれればいいなと思います。
授業後にはSlackにたくさんのフィードバックを書き込んでもらえました。90分間の講義のなかでは、ここまでのやりとりは当然できるものではありませんので、大変ありがたかったです。伝わったところ、伝わりきらなかったところ、伝えられなかったところなど、自分なりに再度整理をしていきたいと思います。
今回のゲストティーチャーとしての準備をするなかで、P.グリフィン、B.マクゴー、E.ケア『21世紀型スキル 学びと評価の新たなかたち』をひさしぶりに再読しましたが、非常におもしろかったです。学校現場へのフィードバックができるように、引き続き学んでいきたいと思いました。
この機会を与えてくださった荒木先生、どうもありがとうございました。
(為田)