2022年6月18日に、日本私学教育研究所 主催の「全国私立中学高等学校 私立学校専門研修会 教育課程部会」にて基調講演をさせていただきました。北は北海道から、南は九州まで、120名を超える先生方が参加される会でした(前日の6月17日には、6年ぶりに常翔学園中学校・高等学校を訪問し、授業を参観させていただきました)。
基調講演のテーマは「学校のデジタル化は何のため? ICT導入における"目的設定"の重要性」でした。中学校・高校でのICT活用の事例を紹介しつつ、教育ICT利活用の目的9類型についての話をさせていただきました。
また、参加者の先生方から事前に質問もいただいていたので、それに答える形でスライドも作成しました。本質的な質問を多くいただいたため、自分自身にとっても非常に学び多い機会となりました。
ひさしぶりに再会した先生方も(つかの間の再会の方も)、初めて名刺交換をさせていただいてSNSで繋がった先生方もいらっしゃいました。全日程が終了した後、Facebookにて感想を聴かせてください、と依頼したところ、次に繋がるコメントをいただきましたので、転載します。感想をお書きいただいた先生方、本当にありがとうございます。
本日はご講演ありがとうございました。ICTの導入を目的にしてはいけなくて,なぜ導入するのか,その目的を明確にしないとうまくいかないと言うのはその通りだと思います。
ここに集まっているようなリーダー層が,導入の目的(ビジョン)を言語化して話せるようにすることが大事だと考えています。ビジョンを言語化するには考えることはもちろんですが,実際に授業も見に行き,そこで行われていることの目的や意味を説明できるようになることで語るビジョンもさらに強化されるはずです。
今回の講演を聞いて,各校のリーダー層が改めて各校の目指すビジョンを見つめ直し,言語化して学内・学外に語ってほしいと思います。
導入を進めると必ずご意見やクレームが寄せられますが,その時にリーダー層がビジョンを語れないと現場はハシゴを外されることになります。
私は結構頷きながら伺ってましたが,腕組んで難しい顔の方も少なくなかったことに少し不安にもなりつつ,きっと多くの方には響いたのではないかと信じています。(エグゼマンさん)
おっしゃるとおり、リーダー層が改めて「ICTを活用する目的を言語化すること」は本当に大切だと思います。リーダーがしっかり言語化して学内に共有してくれていることで、着実にICTの活用を進めていくことができると思います。
とても参考になりました!ICTの在り方について再認識することができました。
小学校の授業での実践を聞いていて、ただ使うのではなく、目的が明確化した上で、使用シーンに応じた使い方が必要なのだと感じました。あくまで主体的で対話的な学びのための活用であって、使うことが目的ではないということは本質的ではないと強く思います。そして目的をはっきりとして、それを全体で共有していくことは絶対に欠かせないと思いました。本校は導入することや使うことを目的としていて、本来のICTのあり方からズレていたかもしれません。もう一度本校にしかできないICTのあり方を全体で検討し、生徒の学びに焦点を当てたICTの利活用をしていきたいと思います。
僕は、最初は、導入することや使うことを目的にしてもいいと思います(でないと、現実的に使うシーンが増えていかないので)。ただ、そこで止まってしまっている学校も多いので、その先の「本来やりたい使い方=ICTで達成したい目的」を共有することが大事だと思っています。ここまでやれている学校がまだまだ少ないのが現状だと思っています。そうして、最初は使うことが目的だったかもしれないけれども、だんだん授業が変わっていくことで、子どもたちの思考や表現のツールとしてICTが位置づけられていくと思っています。
今回の講演では、全体的な「学校のデジタル化は何のため? ICT導入における"目的設定"の重要性」についてお話をしましたが、それぞれの学校ごとに、それぞれの学校の目標があり、それぞれの学校にあったICTを活用する目的があり、それぞれがの学校にあったICTの活用方法があると思います。それを探すための手助けになればいいな、と思っています。
講演終了後に、たくさんの先生方と名刺交換をさせていただきました。もし、今回のお話に関心をもっていただいて、「校内研修なども話してもらいたい」という学校がありましたら、ぜひお声掛けいただければと思います。それぞれの学校でのICTの環境、授業の様子、学校の文化に寄り添った形で、ICTを活用して学びを変えていくためのお手伝いができればと思っています。
◆ ◆ ◆
「講演を聴きながら、本をポチりました」という先生も何人かいらっしゃいました。本当にありがとうございます。先生方のお役に立てれば、とてもうれしいです。
(為田)