2023年2月2日にさいたま市立大砂土東小学校を訪問し、天野翔太 先生が担当する3年4組の道徳の授業を参観させていただきました。今回の授業では、「今度はぼくの番かな」について考える授業でした。
授業の最初に天野先生が「分かり合うって何?」と質問しました。挙手した子どもたちのなかから、天野先生は4人を指名すると、その4人が順に発表していきます。自分の意見を発表した人は、次の人を指名していきます。「人のことを思う」「他の人の心を理解する」「“分かり合う”んだから、どっちもじゃない?」というふうに意見が出てきます。
クラスメイトの発表を聞いて、「意味を調べてみよう」と自分のタブレット端末ですぐに調べ始める子もいました。
天野先生のクラスでは、道徳の授業に哲学対話を取り入れています。哲学対話のルールとして、「話さなくてもいい、ずっと考え続ける」というのがあるそうです。手を挙げて発表をするわけではありませんが、考え続けている子がいつでも意見を表現できるように、この授業ではTeamsのグループチャットを活用していました。天野先生が何も言わなくても、どんどんTeamsのグループチャットに意見を入力していきます。クラスメイトが挙手して発表しているのを聞きながら、並行してTeamsのチャットに書き込んでいる子もいました。
天野先生が「今日の問いを作ってみますか。自分ひとりでも、友達とでも。どうぞ」と言うと、子どもたちはグループあるいは一人で問いを考えていきます。
考えた問いを発表してもらったり、チャットに並んで表示されている問いを読んだりしながら、天野先生は黒板にまとめていきます。
授業が終わる頃には、黒板いっぱいに子どもたちが考えたことが書かれていました。口頭での発表とチャットでの発表が同時に動いているので、天野先生がこうして黒板に一度まとめるのは子どもたちにとって情報が整理される大事なタイミングになるのではないかなと思いました。
(為田)