教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

中学生の卒業式の後のスマホの使い方を見て思ったこと

 2022年度が終わります。自分の息子も無事に中学校を卒業しました。3月上旬に行われた卒業式は、会場である体育館には保護者は1人しか参列できませんでしたが、教室でリアルタイムで体育館の様子を見ることができました。会場全景と、卒業証書授与のところと2つのカメラの映像で卒業式を見ることができたのはありがたかったです。

 卒業式の後、最後のホームルームを終えて、みんながグラウンドに出てくるのですが、卒業式のこの日だけは、「校庭ではスマートフォンなどを使ってもOK」というルールになっていました。そのため、多くの保護者が「スマホ持ってきて。最後、校庭で渡して」と頼まれていました(もちろん、うちも)。
 このルールが、とてもよかったなと感じました。卒業式が終わった後、子どもたちがクラスメイトと、部活の仲間と、先生たちと、たくさんの記念写真を自分のスマホで撮影している様子がとてもいいなと思ったからです。お互いで撮影した写真をその場で送り合ったり、共有したりももちろんしていました。子どもたちのために、ルールを考えてもらって、大変ありがたかったです。
 自分たちの卒業式の頃はどうだっただろう…写ルンですとか持っていってましたかね…。でも、現像して焼き増ししないと渡せないから共有もできないし、卒業式後に会って渡すのもちょっと大変だし、デジタルで写真を共有するのって、子どもたちにとっては楽しそうだな、と思いました。

 昼過ぎには「名残惜しいですけど、下校してください」とのアナウンスがあったので、みんな学校を出て帰宅しました。その後、夕方くらいに息子が「これ、見てー」と動画を見せてくれました。クラスの子が思い出ビデオを作ってくれていました。
 学校生活での写真、部活の写真など、みんなが提供した写真が使われています。さっき卒業式の後に校庭で撮った写真も使われていました。BGMとカット割りのタイミングもあっていて、これが数時間でできてみんなに共有されるスキルとスピード感がすごいと思いました。
 中学生、ここまでできる子もいるんだな、と思って。こうした「やりたい!」「つくりたい!」の気持ちを、スマホが実現している、ということを感じました。スマホばっかり触っていて、何をやっているのかわからなくて心配になることもありますが、一方でこうしたクリエイティブなことや思い出を共有してコミュニケーションのツールとして使ってもいます。一概に「スマホばっかり見ていないで」と言えないなとも感じています。

 スマホ1台でこれだけできる子たちにとって、GIGAスクール構想で配備されている端末がどんな位置づけになるのかは、学校で「やりたい!」「つくりたい!」を実現するために使われているかによるだろうなと感じました。

(為田)