教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

書籍ご紹介:『はじめよう!デジタル・シティズンシップの授業』

 成城学園初等学校の秋山貴俊 先生から、『はじめよう!デジタル・シティズンシップの授業』を送っていただきました。秋山先生は、この本のなかに実践事例報告を執筆しています。

 「デジタル・シティズンシップについて教えてください」と先生方に言われることが増えてきている感じがします。一人1台の情報端末が配備されて、どれくらい活用しているかは学校によってまちまちなのが現状ですが、それでも、その先に「デジタル・シティズンシップ」というものがあることを感じている先生方が多くなってきているのはとてもいいことだと思っています。
 この本の副題にもなっている「善きデジタル市民となるための学び」へと繋がる方向性ができていると感じる一方で、デジタル・シティズンシップはデジタル環境や教育方針が異なる各家庭で教えられるものでもないと思いますし、学校で先生方とクラスメイトと一緒に学ぶからこそ得られることが多いと思います。一人1台の情報端末があり、学校でみんなで使う場面があるからこそできる学びが多いと思います。

 デジタルを活用した学びを日々行っている学校で、どんどんデジタル・シティズンシップの授業が広がっていけばいいと思います。この本では、小学校・中学校・高校での10事例、特別支援学校の3実践、全部で13事例が紹介されています。
 指導計画、使用する教材、本時の展開などを見ることができます。ワークシートや資料はQRコードを使ってデータにアクセスすることもできます。子どもたちのデジタルでの体験によって、授業がどれくらいうまくいくかは変わってくると思いますが、何より授業でやってみることがまず大事だと思います。授業をしてみて、そこから自校の状況に合わせてチューニングすることが大事だと思います。このとき、「授業のねらい」をずらさず、伝え方や活動をチューニングするのが重要です。それこそが、先生方にしかできないことです。

 たくさんの学校で、デジタル・シティズンシップの授業への取り組みが始まるといいなと思います。

 秋山先生、本をお送りいただきましてありがとうございました。

(為田)