教育ICTリサーチ ブログ

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川口市立前川小学校 授業&研修レポート No.2(2022年10月7日)

 2022年10月7日に、川口市立前川小学校を訪問させていただき、授業参観後に校内研修の講師をさせていただきました。今回のテーマは、「GIGAスクールの進捗状況について」でした。
 今回の研修は、2022年8月のプラットフォームin戸田でのプレゼンテーション「GIGAスクールは順調ですか?」を見ていただいたことがきっかけでした。
 事前にプレゼンテーションに含めてもらいたい項目として「ICT端末の必要性について」「情報モラル教育からデジタルシティズンシップ教育への転換について」「ICT教育をさらに進めていくために何をすべきか」「授業観察から感じたこと」を挙げてもらっていたので、実践事例を多く紹介しながらテーマに言及していくようにしました。
 実践事例を紹介することで、参加する先生方が一人1台のタブレットを活用するアイデアを広げられるといいなと思っていました。

 また、研修前に授業を参観させてもらえたのが、とてもよかったと思っています。前川小学校の先生たちが、前川小学校の子どもたちにとって「デジタルを活用することで、どんな学びが可能になるのか」を考える機会になるのが、研修のいちばんの目的です。
 だから、実際の前川小学校の授業の様子、子どもたちの様子を見たうえで、研修をすることができてよかったと思います。

 僕は、一人1台タブレットの使い方を考えるときには、「紙とデジタルの違いは何だろう?」という問いについて考えてもらいたいと思っています。この問いへの答えは、「デジタルを使う目的」にもつながるものですが、授業や活動、学年によっても異なります。
 例えば「試行錯誤する回数を増やしたい」「何度も書き直しをしてほしい」「一人ひとり違う進度で学習を進められるようにしたい」「他の人の考えをたくさん見るようにして、そこから学べる機会を持ちたい」というふうに、いろいろな「デジタルを使う目的」がありえるのです。
 授業のなかでデジタルを活用するときに、先生方が実現したい「デジタルを使う目的」を実現できているかどうかを見る軸があれば、デジタルの活用へのモチベーションも上がるし、評価もしやすくなると思っています。

 前川小学校でのタブレットの活用が、前川小学校の先生方の「デジタルを使う目的」を実現できるように、長期的に見ていくことが重要だと思っています。

(為田)