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なぎさ公園小学校 授業レポート No.3(2023年7月12日)

 2023年7月12日に、なぎさ公園小学校を訪問し、若竹奈穂華先生が担当する6年杉組の にほんご(国語)の授業を参観させていただきました。今回の授業は、「季節を感じて」という表現活動で、「五感を使って、夏の様子を自分らしく表現する」ことをめあてとしていました。
 6年生は一人1台のChromebookを使っています。最初に、Mentimeterを使って、夏と言えば思いつくキーワードを5つ記入して、送信してもらいます。従来の授業であれば、一人ひとりに5つずつキーワードを発表してもらって、それを黒板にまとめていく方法が一般的だと思いますが、これではどうしても時間がかかります。Mentimeterを使うことで、ずっと速くたくさんのキーワードを集めることができます。
 それに、Mentimeterであれば無記名なので、みんなの前で発表するのが少し照れくさいキーワードがあった場合でも入力してみんなに伝えることができる利点もあります。一人1台のChromebookとMentimeterを使うことで、キーワードの幅も広がるのではないかと思います。

 クラス全員が一人5つずつ入力したキーワードは、Mentimeterの機能でワードクラウドの形式で表示できます。ワードクラウドでは、多くの人数に書かれた言葉ほど、大きく表示されるので、クラス内で多くの子が書いたキーワードを知ることができます。

 ワードクラウドを見ることで、一人だけしか書いていないキーワードを見ることもできます。自分ひとりで考えるよりも、作品づくりの素材として使える言葉の幅を広げることができます。

 ワードクラウドに表示されているキーワードを参考にして、一人ひとり創作活動を行います。若竹先生は、「短歌あるいは俳句か、枕草子のフォーマットに合わせた“My 枕草子”のいずれかで書いてください」と言っていました。

 自分の作品に取り組む前に、「昨日やったクラスの作品も見てみましょう」と言って、ロイロノート・スクールの画面で他のクラスの作品を見せました。こうして他のクラスの作品を簡単に見せることで、作品のアイデアを思いつくことにも繋がるし、どんなふうに書いていいかわからない子にとってのヒントにもなると思います。

 一人ひとり、ワークシートを開いて作品を書いていきます。できた作品には画像を貼り付けている子もいました。言葉だけでなく、映像も一緒に表現に使えるようになってきていると感じました。

 作品が完成した子は、ロイロノート・スクールの提出箱に提出します。提出箱に入った作品は、若竹先生がコメントしていきます。「途中で先生に見てほしい人も、提出箱へ入れてね」と言っていました。作品の完成後だけでなく、途中でも簡単に先生のコメントをもらえるように授業が設計されていました。

 途中で、周りの人、班の人と作品を見せてコメントし合う交流の時間がとられました。
若竹先生も順に教室をまわって、良いところをコメントしていきます。こうした時間をとることで、子どもたちは作り手としてだけでなく、読み手としての成長の機会をもつことができると思いました。

 No.4に続きます。
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(為田)