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墨田区立小梅小学校 授業レポート No.2(2022年9月22日)

 2022年9月22日に墨田区立小梅小学校を訪問し、川村先生が担当する5年1組の理科の授業「アサガオの観察と考察」を参観させていただきました。
 2時間連続で、アサガオのつくりを顕微鏡で観察し、観察結果をまとめ、最後に考察をする授業でした。
 机の上には一人1台のiPadと顕微鏡があり、分解したアサガオの花を顕微鏡で見て、顕微鏡の接眼レンズのところにiPadをつけて写真を撮影していました。撮影した写真をー拡大して見ることもできます。グループで観察をしていたので、撮影した写真をグループ内で見せ合いながら、そこから考えたことを伝え合う活動ができていました。

 ロイロノート・スクールで「生徒間通信」を許可してあったので、グループ内の誰かが撮った良い写真を送り合うことができます。この作業があることで、どんな写真を良いと思うのか、どんな写真が撮れていたら観察・考察に役立つのか、ということを明確にすることができます。言葉としては、「その写真、ちょうだい?」と頼むだけでなく、その写真のどんなところが良いと思ったのか理由を伝えることも目指せる活動だと思いました。

 一人ひとりがロイロノート・スクールで書く考察は、文章だけでなく写真も活用されていました。撮影した写真に気づいたことや考えたことをペンツールやテキストボックスを使って書き込んでいきます。
 一人ひとりがiPadをもつことで、自分が撮影した写真をすぐに使って、そこに書き込みをして提出することができるようになります。

 一度ロイロノート・スクールで考察を提出してもらったあと、先生は「友達の提出したものを見て、参考にして出し直してもいいよ。回答共有しているので、参考にして自分の考察に加えてください」と言いました。

 自分自身の観察をスタート地点に、グループで観察結果を共有して話し合い、さらにそれをクラス全体で共有することで、他の人の考察も参考にすることができます。「ちょっとまだ提出できるほどではない…」と自信をもてない子も、先に提出したクラスメイトの考察を読むことで、どんなことを書けばいいのかを手がかりにすることができます。これも、デジタルの良さだと言えるでしょう。

 その後で、提出してもらった考察をみんなで見合う時間をとることで、全体での理解を共有することができます。

 最後に知識習得の確認をするために、先生から一人ひとりに、アサガオの花の各部の名前を確認するためのカードを配り、空欄に名前を書いてもらいました。

 知識を覚える活動と考察を書く活動と、使っているロイロノート・スクールの機能は同じで、「カードを配り、提出してもらう」ことです。ただし、活動が目指していることはまったく違います。どんな学びを目指して活動をするのか、そのためにロイロノート・スクールをどう使うのか、授業設計が大切だと改めて感じた授業でした。

 No.3に続きます。
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(為田)