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横浜国立大学教育学部附属鎌倉小学校 授業レポート No.3(2022年7月13日)

 2022年7月13日に横浜国立大学教育学部附属鎌倉小学校を訪問し、荒谷舞 先生が担当する5年2組の算数の授業を参観させていただきました。
 ロイロノート・スクールを使って「30000円が20000円に値引きされているゲーム機と、50000円が40000円に値引きされている2つのゲーム機があります。どちらを買うのが得でしょう?」という問題に取り組んでいました。

 ロイロノート・スクールで一人ずつ「どちらが得だと思うか。その理由は何か」を書いてもらいます。文章だけではなく、図をつけたりして、読む人に伝わりやすいように工夫をしていました。
 荒谷先生は、相手に伝わりやすいように説明するように子どもたちに伝えていました。この活動の意義として、「(子どもたちには)説明する力をつけてほしい。図を自分で描いたり、写真を使ったりして、言葉だけでなく説明できるようになってほしいんです。それが社会で求められる力だと思うからです」と教えてくれました。

 子どもたちに考えて書いたカードを提出してもらいます。荒谷先生は「終わっている人は、他の人の答えを見てね。なんとなくではなく、根拠が大事なのできちんと説明してください」と言います。

 自分の考えを提出したら、班のなかで、どっちが得だと思うかを説明しながら、話し合う場面を作ります。自分の書いたカードを見せながらプレゼンしていきます。

 この後、グループをシャッフルしてワールドカフェスタイルを用いて考えを交流していきました。荒谷先生は、「グループで話し合って、わかりやすかったものは使っていくようにしましょう。“使いたいな”、“ほしいな”と思ったカードは、そのカードを作った人にお願いしてもらってください」と言い、荒谷先生はロイロノート・スクールで生徒間通信ができるように設定を変更しました。クラスメイトと話し合い、考えを共有するなかで、カードの共有と他者の作ったカードをもらう活動が入っていることで、協働する環境が作られていくと感じました。

 ロイロノート・スクールを使うだけでなく、ノートを使って考えたことを発表する子もいます。書いたノートを撮影してロイロノート・スクールで共有すれば、交流も発表も同じようにできます。

 授業の最後に、教科書に掲載されているおにぎりとハンバーガーの割引問題を使って、考え方を再確認していました。今度は、おにぎりが160円から110円に割引されていて、ハンバーガーが200円から150円に割引されています。同じ考え方を違う題材で練習できるようになっていました。

 クラスの中で、「どんなふうに考えたか」をみんなで見ていくためには、こうして授業支援ツールを使うのは有効です。一人ひとりが端末を持って近くの人に説明したり、わかりやすかった説明をモニターに映してみんなに向けて発表してもらったり、さまざまな場面で、「相手に伝える」という活動を数多くできるのがいいと思いました。

 No.4へ続きます。
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(為田)