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関西学院初等部 授業レポート No.2(2023年9月22日)

 2023年9月22日に関西学院初等部を訪問し、宗實直樹 先生が担当する4年B組の社会の授業を参観させていただきました。社会科の授業以外でも、おもしろいと思ったところがあったので、それもレポートしたいと思います。4年B組の教室の黒板に書いてあった時間割の横に「為田さん」と書いてありました。宗實先生から「6時間目の社会の時間に、見学の人が来るよー」と子どもたちに伝えてくれていたようです。

 自己紹介をしたら「どこから来たんですか?」と訊かれたので、「会社は、東京の六本木だよ」と答えました。そうしたら、「知ってる!」という何人かの声と共に、「なんで六本木っていうんだろう…?」という子どもの声が聞こえました。
 宗實先生がその声に応えて、「なんでか、調べてみたら?土地の名前の由来はおもしろいよ」と子どもたちに言います。すると、クラスのみんなから自分たちにゆかりのある土地が次々とあがっていきました。「三田は?」と訊く子に、宗實先生が「もちろん、由来あるよ」とすぐに答えていたので僕もその場で調べてみました。

「金心寺の弥勒菩薩坐像の胎内に記された恩田・悲田・敬田の『三福田』に由来する」という説が旧『三田市史』などに掲載されているが、新版『三田市史』(2012年完結)編纂時の調査時には確認できず、現在は地域の伝承として扱われている。

Wikipedia 三田市

 他にも、西宮、川西、芦屋…とたくさんの地名があがっていました。子どもたちが「西宮は、西の都?宮の西?」と疑問をどんどん言葉にして、それが繋がっていく様子を見ることができました。

 それと、休み時間に教室で飼っているアカハライモリを紹介してくれる子たちがいました。水槽の中からアカハライモリを出して、手にとって見せてくれました。
 アカハライモリが僕の方をじっと見つめていたらしくて、「すごい見てる。知らない人だからかな…?」と疑問をもっていました。「メガネをかけてる人が珍しいんじゃない?宗實先生もメガネかけてないし」という仮説もたてていました。

 後日、宗實先生から、「こんなことを日記に書いている子がいましたよ」とロイロノート・スクールでクラスの一人の子が書いた日記を見せてもらいました。そこには、教室でたてていた仮説が、より詳しく文章として書かれていました。こうして、不思議だなと思うことを見つけて、文章にできて、興味をもち続けられるのがすばらしいなと思います。

 4年B組の授業を見ていちばん印象的だったのは、子どもたちが自分たちで疑問を見つけて、その疑問に楽しく取り組んでいる様子でした。小さな疑問にも大きな疑問にも、「どうしてだろう?」「こうなんじゃない?」と仮説をたてている様子が本当に印象的でした。こうした下地があってこそ、それを一人1台のiPadを活用してより広めたり深めたりしているように思いました。

(為田)