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富士見市立針ケ谷小学校 授業レポート No.3(2023年9月13日)

 2023年9月13日に富士見市立針ケ谷小学校を訪問し、授業を参観させていただきました。たくさんのクラスを参観させていただいたので、それぞれ少しずつ様子をレポートしたいと思います。

3年1組 算数

 椿政悦 先生が担当する3年1組の算数の授業では、「何十、何百のかけ算」の考え方について学んでいました。椿先生から「どのように計算すればいいか」と問いを投げかけられると、子どもたちはどんどん手を挙げて答えていきます。
 この問いと答えの掛け合いのスピードは、子どもたちの思考に勢いをつけるのにとても重要だと思います。最初からいきなり「では、パソコンを開いて、書いてみて」となると、最初に考え始めるスピード感や勢いがあまり出ないように思います。

 最初に少し、言葉で問いと答えの掛け合いをしたあとで、椿先生は以下の3つの方法を子どもたちに提示して、どの方法で考え方をまとめるかを選んでもらいました。

  1. うつ:
    ローマ字も習っているので、キーボードで文章を入力してオクリンクで送る
  2. 書く:
    画面にペンツールで文章を書いてオクリンクで送る
  3. とる:
    ノートにえんぴつで書いて、そのノートを写真撮影してオクリンクで送る。字だけでなく、図とかも入れることもできる

 椿先生は、「無理にパソコンでやらないでいいですよ」と子どもたちに声をかけていました。こうしたちょっとした言葉かけも、自分でどうやって学ぶかを決めるように子どもたちに委ねる教室を作る大事な要素だと思います。

 「5分、考えてみましょう」と椿先生が言うと、子どもたちは自分で3つの方法のどれを選ぶかを決めて、書いていきます。
 「1個考えが書けたら、先生にオクリンクで送ってください」と椿先生が言うと、書き終わった子どもたちはオクリンクの提出BOXにどんどん送ってきます。

 5分たったところで、まだ書けていない子もたくさんいましたが、椿先生は「なかなか出てこないよ、という人もいると思います。でも、全然大丈夫です」と言っていました。提出BOXにクラスメイトが提出したものがずらりと並んでくると焦ってしまう子もいると思います。焦らずに、じっくり考えても大丈夫なことを伝えることもとても大切だと思いますし、学校の教室で学ぶからこそできる教え方だと思いました。

3年2組 図工

 神野千聖 先生が担当する3年2組の図工の授業では、子どもたちが作った粘土の作品を撮影して、オクリンクでコメントを書いていました。
 自分で作った粘土の作品を、どの角度から、どのくらいの大きさで写真に撮ろうかなというのも、子どもたちのオリジナリティが出ていいと思います。

 自分で作った粘土の作品だからこそ、そこにつけるコメントもがんばって書きたい、と子どもたちは思います。ローマ字表を見ながらがんばってキーボード入力している子もいました。
 キーボードでのローマ字入力については、子どもたちが「書きたい」と思う課題を出すことだと思います。書きたいことがあれば、頑張って書きます。最初は作品タイトルだけとか短い言葉の入力から始めても、どんどん長い文章も書いていけると思います。

 No.4に続きます。
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(為田)