2023年11月9日に東京都立駒場高等学校を訪問し、中山潤一郎 先生が担当する1年5組の地理総合の授業を参観させていただきました。中山先生はGoogle Earthをプロジェクタで投映しながら、世界の砂漠について学ぶ授業をしていました。
中山先生は、オーストラリア中央部の砂漠をプロジェクタに映しながら、回帰線砂漠の説明をして、「回帰線砂漠はなぜできるのか?」という問いを生徒たちに投げかけます。
生徒たちは自分のSurface GoでGoogle Earthを開き、ズームインしたりズームアウトしたり、さまざまな見方で砂漠やその周辺の地理環境を自由に調べていきます。さらに資料集なども参照しながら、先生の問いについて考えていきます。
次に中山先生は、回帰線砂漠ではないタクラマカン砂漠をGoogle Earthで投映して、「どうしてここは砂漠になったのだろう?」と質問します。すると一人の生徒が「山に囲まれているから」と答えます。中山先生はGoogle Earthで画面を動かして、タクラマカン砂漠が山脈と高原に囲まれていることを示し、「そうだね、湿っている空気が来ようがないよね」と言います。
こうして砂漠にフォーカスしたり、砂漠が周囲の地理環境とどんな関係にあるのかを総括的に見て説明し、理解を深めるには、自由にズームイン・ズームアウトができるGoogle Earthは非常に便利だと思います。
また、これを先生がGoogle Earthを操作して全員に提示して見せるだけでなく、生徒たちも自分の手元で同じように自分の興味関心に従って自分の思うようにGoogle Earthを操作できることもいいと思います。ここから探究が始まることもあるだろうと思います。
中山先生は続けて、「次にナミブ砂漠を見てみましょう。アカシアでさえ枯れてしまう砂漠です。ここも、どうして砂漠になっているのか考えてもらいたい」と言います。
さらに、「アタカマ砂漠もGoogle Earthで見てみて。ナミブ砂漠とアタカマ砂漠は同じ要因で砂漠化しています。海岸部なのになぜ雨が降らないで砂漠になるのでしょう?周りの人と話し合ってください」と言います。
先生からの問いに、Google Earthだけでなく、教科書や地図帳、インターネット検索も組み合わせて使いながら話し合った生徒たちから、「ペルー海流が寒流なので、上昇気流が生まれないから雨が降らない」という答えが出てきました。
アタカマ砂漠について解説をしているときに、中山先生が「“アタカマの巨人”って検索してみて」と言います。Google Earthで検索をすると、地上絵が出てきました。Google Earthでは距離を測れることも紹介し、実際に測ってみると全長85メートルもありました。
Google Earthのタイムスライダーを使って、サハラ砂漠がどのように拡大しているのかを見る活動もしました。こうして興味を喚起するコンテンツなども準備して入れやすいのもデジタルを活用しているからこそだと思います。
Surface Goを使うのは、Google Earthを見るときだけではありません。授業で活用する資料のデータを見ることができるようになっていました。資料を画面に映しながら、ノートに授業をまとめている生徒もいました。
また、学習者用デジタル教科書も導入されているので、ノートに授業をまとめるときに活用されていました。
白地図のデータも共有されていたので、そこに回帰線を自分で描いてみて回帰線砂漠について考えたり、自分で勉強できるようになっていました。
いろいろな教材や資料がデジタルで用意されていて、生徒たちがさまざまな教材や資料を横断的に活用できる環境が用意されているように思いました。
No.3に続きます。
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(為田)