2023年11月9日に東京都立駒場高等学校を訪問し、柴田晶子 先生が担当する1年6組の言語文化の授業を参観させていただきました。柴田先生はこの日読む「土佐日記」の本文と授業プリントを黒板にプロジェクタで投映しながら授業を行いました。
駒場高校のプロジェクタはデジタル黒板機能があるので、柴田先生は投映している本文に書き込みながら説明することができます。
黒板に本文を書く時間をプロジェクタを使うことで効率化し、そこで生み出した時間で、生徒たち同士で話し合う時間、生徒たちが考えたことを発表する時間、生徒たちの発表に応えて解説する時間を生み出す授業スタイルだと感じました。
授業で使うプリントをデジタルで活用しているのは先生だけではありません。プリントをデータで生徒たちに配布してあるので、生徒たちは自分のSurface Goでプリントを見て、そこに先生の解説などを書き込むことができるようになっています。
ノートをとるときに使っているアプリは、学校全体で一つのものを決めているのではなく、生徒たちが自分の使いやすいアプリを使っているようでした。授業の途中で、「PDFを読み込んだほうがこれは便利だった」とか、生徒同士でどう活用しているのか、どんな機能を使っているのかを教え合っている場面も見かけました。こうして自分にあったアプリを使うことができるのは高校ならではかもしれません。
先生の解説を聴いて、プリントに書きこんでいる生徒もいました。プリントはデジタルで配布されていますが、必ずデジタルで学ばなければならないわけではありません。生徒たちは、紙とデジタルのどちらを使うか選べるようになっているそうです。
大人がそうであるのと同じように、「紙にメモをしたほうが自由に書き込める」「どの紙に書いてあったかを探しやすい」などの理由から、紙を使うほうが勉強しやすい生徒がいるのも理解できます。自分の勉強のスタイルに合わせて選べるようになっていることが重要だと思います。
デジタルでノートをとっている生徒も、ずっとデジタルだけを使って勉強しているわけではありません。紙の教科書にマーカーで線を引いたり、メモを教科書に書き込んだりする生徒もいます。
「紙かPCか」「アナログかデジタルか」の二者択一ではなくて、それぞれの良さと自分の使いたい目的とを考えて、組み合わせてバランスよく使おうとしているように感じました。学校としては、自分でアナログかデジタルかを選べる環境を作ることが大切だと思います。
No.2に続きます。
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(為田)