言語学者の川原繁人 先生 feat. Mummy-D・晋平太・TKda黒ぶち・しあ の著書『言語学的ラップの世界』を読みました。
僕は日本語ラップが好きです。言葉の連なりや韻が気持ち良いのも好きですし、メッセージがギュッと詰まっているのも好きです*1。そんな好きな日本語ラップについて、言語学者である川原先生が「チャラいと思われているからこそ、ガチで研究したかった」と書いた『言語学的ラップの世界』、すごくおもしろかったです。
川原先生が好きなラップをどんどん探究していていく様子が書かれていて、学校でやる「探究」もこんな感じになるとおもしろいかな、と思いました。
それと、国語の授業で習った韻を、ラップというフォーマットで知ることで、中学生や高校生には「言葉」や「表現」について考える機会にもなるかと思います。国語の先生には、もしかするとヒントになることも書かれているのではないでしょうか。
この本にfeat.(フィーチャリング)で参加しているMummy-Dさんが「曲を作ってプロモーションツールにするとかもありかもよー!」と言ってくれた、というきっかけでできた曲『言語学的ラップの世界』も、この本の内容をふんだんに入れて作られているので(本が先で、それから曲ですから!)、本を読んでから聴くとなお楽しめると思います。
フルサイズで聴くならばこちらの動画をどうぞ。
版元の東京書籍のYouTube動画では、映像とラップのリリックが連動していて、こちらの方が教室で見せるとおもしろいかもしれないです。言葉っておもしろいなあ、と感じてもらえないかな。
詩や、俳句や短歌などで自己表現をするのと同じような感じで、ラップに乗せて自己表現をする、というのもあってもいいのかもしれません。
数小節分のビートのループを東京書籍のサイトで見られるようにしておいて、リリックを書くコツや韻を考えるヒントなんかを読めるようにしたら、先生も授業で使いやすいかもしれません。
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川原先生がこの本について「ゆる言語学ラジオ」にゲスト出演している回もとてもおもしろいので、合わせて見てみるといいと思います(本が先でも、本が後でも、どちらでも楽しめると思います)。
日本語ラップと「ゆる言語学ラジオ」の好きと好きの組み合わせで、幸せでした。
「授業で使えたりするかな」と思いつつ、趣味に走ったエントリーすぎるかもしれません…すみません。
(為田)
*1:僕は洋楽でラップをほとんど聴きません。そのいちばんの理由は、歌詞がわからない、というのがいちばんの理由だと思っています。