教育ICTリサーチ ブログ

学校/教育をFuture Readyにするお手伝いをするために、授業(授業者+学習者)を価値の中心に置いた情報発信をしていきます。

聖徳学園中学・高等学校 授業レポート No.1(2023年11月20日)

 2023年11月20日に聖徳学園中学・高等学校を訪問し、品田健 先生と白石利夫 先生が担当する高校1年7組の情報の授業を参観させていただきました。この日、生徒たちは自分のiPadを使って期末考査の模擬問題を作っていました。一人1台のiPadを使って「期末考査の対策をする」のではなく、「期末考査の問題を作る」というところが、品田先生のこだわりだと思います。

 期末考査の模擬問題を作るために、生徒たちは教科を選び、試験範囲を設定し、試験範囲からどこを問うか、どのように評価するかを考えていきます。いつもは先生から問題を「与えられていた」生徒たちが、逆に問題を「作る」側に回ることになります。

 生徒たちは、Pagesを使って期末考査の模擬問題を作っていきます。Pagesを使って行うページ編集を、生徒たちにとって身近で何度も見たことがある定期考査の問題用紙を題材として行うことで、いろいろな工夫をしやすくなると思います。
 また、期末考査のレベルとして通用する模擬問題を作るためには、間違いがあってはならないため、生徒たちはこれまで自分が教室で使ってきた教科書や教材などを見返して考えていました。自分の頭の中で覚えていることだけでなく、ノートも見返しながら問題を作っていました。

 生徒たちは作成した期末考査の模擬問題を決められた期日までにGoogleフォームで提出します。提出された期末考査の模擬問題は、学校全体でシェアされるので、クラスメイトが作った期末考査の模擬問題を解き合うこともできます。こうして、自分たちが作ったものが、日々の学校生活のなかでクラスメイトに使われる環境があるのがいいと思います。

 今回見学した高校1年生の授業では、キーボードを使っている生徒はそんなに多くありませんでしたが、Pagesで定期考査の模擬問題を作るとなると、問題文の入力などでタイピングを快適にしたいという希望が多く出てきそうだと思いました。
 こうして何かをつくる過程で、「キーボードが欲しい」と生徒たちが思うことが大事だと思います。自分が何かを作るデジタル環境を、生徒たちが自分自身で整えていけるといいと思います。学校であれば、先生方や先輩たちに「どんなの使ってます?」と質問して教えてもらえる環境もあると思うので、中学校から高校でこうして「つくる」場面をたくさん用意することは重要だと思います。

 No.2に続きます。
blog.ict-in-education.jp


(為田)