教育ICTリサーチ ブログ

ICTを教育にどう活用できるか、現場目線でリサーチします。

STEM STUDY NIGHT #2 レポート(1): 同志社中学校での技術教育を通した国際交流 - 現場の課題を描く- (同志社中学校 沼田和也 教頭)

 11月13日(金)に、STEM STUDY NIGHT #2@さくらWORKSに参加してきました。STEM STUDY NIGHTは、FabLearn Asia 2015の関連イベントです。
 学校の先生、クリエイター、プログラマが集まり、「ものづくり」「STEM教育」「これからの教育」「デザイン思考」などをテーマにプレゼンテーションとディスカッションを聴いてきましたので、メモを公開したいと思います。


 最初に、同志社中学校の沼田和也先生です。プレゼンテーマは、「同志社中学校での技術教育を通した国際交流 - 現場の課題を描く-」でした。
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「ものづくり」と教育

 最初に沼田先生は、「ものづくり」とは何か?についての話から始めます。「ものづくり」は理系のためのものではない、というのは、「なるほど」と思いました。

  • 理系のための「ものづくり」ではない。ものづくりは、「生産現場」のイメージが強い。
  • では、「ものづくり」とは?
    • イデア
    • 人との関わり
    • 人に伝える

 また、海外の学校を多く訪問されているそうで、アメリカのカリフォルニア州のNueva Schoolを紹介してくださいました。デザインシンキング(デザイン思考)の授業があるのはいいですね。デザイン思考は、「誰が使うか」「どんなふうに使うか」を想定するわけで、これは沼田先生が説明してくださった、「ものづくり」の根幹にあるべきものだと思います。そうすると、理系のためのものだけではなく、文系だってデザイン思考は必要になってくるのだと思います。

  • ものづくりを正面から捉えたら、いろんなものがつながってくる。ものづくりが授業や学校の活動の中に自然にある。
  • NUEVA School(アメリカ・カリフォルニア州)
    • 教育熱心な学校だった
    • デザインシンキングの授業であるのは当然、ものづくりだから。
      • 誰を想定して作るのか、など考える。
    • 30歳になったときにどんな意味があるのかを考えて授業をしなければ。

 そうした点をふまえて、3種類の実践をしている、と話をしてくださいました。

  • 3種類の実践
    • 社会的な関連を学習物として
    • はみ出させて大胆に関連性をテーマに実践
    • 国境を超えて共同でアクションを作る

同志社中学校の実践

 同志社中学校の紹介もしてくださいました。私学は「建学の理念」があるため、いろいろな新しい試みをするときの動きが速いですね。同志社中学校には、7月に訪問させていただきました(そのときのレポートはこちら(前編後編)。)

  • 教科センター方式
    • 「教室に入ったら、先生の教科の匂いがする教室に変えてください」という教員側への提案
  • MEDIA Space
  • 廊下のディスプレイ。生徒の作品、啓発的な展示物など。
    • 先輩たちの作品、学習成果から刺激を受ける。

 教科センター方式は、生徒が授業の科目ごとに決まった教室へ移動して授業を受ける方式。先生は自分なりに教室をプロデュースすることができます。「先生の教科の匂いがする教室に変えてください」という先生側への提案、というのが非常におもしろかった。
 また、廊下のディスプレイ(メディアスペース)もとてもよかったです。あの廊下を歩いていて、「おお、先輩すごい!」と思うこともあると思うし、思いがけずに「これって…!?」と知りたいことに出会ってしまったりというのもあるだろうなと思います。
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 その他にも、さまざまな「ものづくり」に関係する試みをしていられます。紹介してくださったのは、以下のようなプロジェクトでした。

 「ものづくり」を起点に、学校と社会を結びつける活動がされているのが印象的でした。

 どんどんテクノロジーが発達してきて、個人でものを作れるようになってきている今、「ものづくり」を学校で行う意味は大きいのではないかと思います。クラスでワイワイとデザイン思考で考え、問題発見・解決型のワークショップを、実際に「ものづくり」をしながらできるのはいいと思います。
 また、アメリカや台湾など、沼田先生が訪れている学校との連携なども、今後はどんどん進んでいくと思いますし、幅広い「ものづくり」教育の活動ができるようになっていくのだな、と期待しています。

(為田)